更新日:2017.02.24インドセタカガメの治療
更新日:2017.02.24
インドセタカガメの治療
これはインドセタカガメというインド北部やバングラディシュなどに生息するカメです。主に水の中で過ごすことが多い、水生ガメの一種です。
さてこのインドセタカガメですが、
何やら注射をされていますね。
どうしたのでしょう?
実はこのカメ、2013年に生まれたまだ若い個体なのですが、もともとはこの浴槽に3頭で飼育されていました。ところがそのうちの1頭が体調を崩し、治療を行ったのですが、死亡してしまったのです。死因は肺炎と肝膿瘍でした。
残った2頭は体調には変化ないものの、念のため検査を行い、治療もすることにしたのです。
ご覧のように小さなカメなので、手足から採血するのが難しいため、背甲の正中下部にある静脈洞という場所から採血しています。
上が元気な個体、下が死亡した個体のレントゲン写真です。(人の指が写っているのはご容赦ください)
元気な個体の写真は体の上半分が透けているように見えます。この部分は肺で、きれいな肺は空気で満たされているため、透けて見えるのです。一方死亡個体の写真の肺は、白っぽく写り、透けている部分が少なく見えます。肺炎を起こしているとこのようになるのです。
死んでしまったことは残念ですが、その死を無駄にしないために、今飼育している動物たちのために、できる限りのことをしたいと考えて、日々診療を行っています。
(飼育展示係 小野)