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更新日:2016.08.25「カチッ」という音の意味は?

更新日:2016.08.25

「カチッ」という音の意味は?

先日、モルモットがサッカーの練習をしている動画を撮影して、YouTubeに掲載させてもらいました。

動画はこちらでご覧いただけます!

ぶーこちゃん、一生懸命サッカーの練習をしていましたね。

さて、今回はこの動画の中で登場していた「カチッ!」という音の正体についてお話しようと思います。



まずは、この「カチッ!」という音は、こちらの道具から出ています!

ぱかぱかブログ20160825クリッカー01.jpg

クリッカーと呼ばれている道具で、中に入っているちょっと反った金属を指で押し込むと音が出る仕組みになっています。

近年、犬のトレーニングではメジャーになりつつあるこちらのクリッカー。ペット用品店などでもよく目にするようになりました。使い方次第で、かなり効率の良いトレーニングができるようになるのです。

もちろんクリッカーを使えばトレーニングがうまくいくという訳ではありません。
使い方や原理を知らないままでは、なんの意味もないただの騒音になってしまいます。

まず初めに、クリッカーの「カチッ!」という音に意味を持たせます

音に意味を持たせなければ、ただの音。トレーニングのなんの役にも立ちません。
言葉で一生懸命意味を説明しても、モルモットには理解されません。

そこで、「カチッ!」と鳴らした直後にモルモットが喜ぶことをしてあげるのです。

喜ぶこと?・・・

ぱかぱかブログ20160825クリッカー03.jpg

そうです。人間も動物も食べることは大好き。
好きなエサ(リンゴ)をあげるのです。

これを数日かけて何回も何回も繰り返すのです。
動物種にもよりますが、1回あたりのトレーニングは長くても3分以内にしています。
動物もダラダラやっていると飽きてしまいます!

音を鳴らした後にエサをあげることを繰り返していくと、この音を聞くだけでいいことがあると反射的に思うようになるのです。

「カチッ!」=いいこと

まさに目の前にお年玉袋を差し出された子供と一緒!
お年玉袋になんてなんの意味もないのですが、毎年その中にお金たくさんが入っていれば、袋を差し出されただけでも嬉しい気持ちになりますよね?
それと同じようなものです。

ちょっと脱線しましたが、ここまで準備のステップです。

しっかりと準備のステップができたら・・・

あとはこのクリッカーの音をトレーニングに使っていくだけです。

「さっきのシュートよかったよ!だからご褒美に大好きなリンゴをあげるね。」
なんて後で言われても、モルモットは なんでリンゴがもらえたか理解できませんよね?

そこで役立つのが、「カチッ!」という音。
私たちが動物たちに「今のいいよ!」と瞬間的に伝えることができる合図になるのです。

シュートをした瞬間に「カチッ!」と鳴らせば、

シュート=いいこと(餌ももらえる)

ということになりますね。

これを繰り返すことで、シュートすることを学習していくのです。

クリッカーを覚えた後でも、鳴らした後にできるだけ早くエサをあげます。
※毎回あげない方法もあります

みなさんも空のお年玉袋ばかりもらうようになったら、お年玉袋を見ても嬉しいとは思わなくなってしまうますよね?
一度クリッカーを理解したからと言っても、安心してしまってはいけません。
空のお年玉袋のように、また新しいことを学習してしまうこともあります。

シュートをモルモットに教える話に戻りますが、モルモットたちもそう簡単には理解してくれません!
何回もクリッカーで「いいよ!」の合図を出すことを繰り返して、ようやく覚えてくれます。

私の妄想ですが、繰り返していく中でモルモットの頭の中ではこんなことが起こっているのではないでしょうか?

1回目
(よくわかなんないけど、なんか今いいことあった〜)

50回目
(まただ!どうやらこのへんでボールを転がしているといいことあるみたい)

100回目
(ん?このカゴにボールを入れればいいのか???)

500回目
(なるほど!カゴにボールを入れればいいのね!)

このようにして、シュートができるようになるのです!
回数は適当ですが、そんな簡単には理解できません。
もちろん1日で完全に覚えさせることなんて不可能です。

短期集中!詰め込み禁止!がトレーニングの鉄則です。

動物にも無理をさせずに、時間をかけてゆっくりやった方が結果的に近道になります。

ぱかぱかブログ20160825クリッカー04.jpg

今回はほんの一例の紹介でしたが、クリッカーをうまく使っていけば、動物たちに「いいよ!」の瞬間を伝えることができ、様々なことを教えていくことができるのです。クリッカーを使ったトレーニングが全てではありませんが、クリッカーを使うことで動物をよく観察する習慣も身につきますし、動物たちに無理強いすることなくトレーニングができます。

動物の自発的な行動にどんどん「いいよ!」の合図を加えることで、動物たちも幸せになれることを願ってトレーニングしています。

ぱかぱか広場 北川健史