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更新日:2017.12.27ズーラシアスクール第3回

更新日:2017.12.27

ズーラシアスクール第3回

皆さんこんにちは!

今回は、先月行われたズーラシアスクール第3回の様子をお伝えします。

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第3回のテーマは「日本の動物たちの未来」。

日本を含めた温帯気候に生息する動物やその周りで起こっていることを、生徒の皆さんと一緒に勉強していきました。

まずは恒例の宿題発表からです。

宿題は「日本に生息している野生動物(哺乳類)を調べよう!」でした。

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さすがズーラシアスクールに通う生徒の皆さん。

宿題発表ではたくさんの動物の名前が挙がりました!

そしてその後、もともと日本で暮らしていた動物(在来種)と人の手で外国から持ち込まれた動物(外来種)にその動物を分類しました。

よく知られているのは、某アニメで有名になったアライグマでしょうか。

このように、野生動物といっても在来種と外来種、生息数が減り絶滅の危機に瀕している動物もいれば、増えすぎている動物など細かく分けることができるのです。

ではどのようにして野生動物は増えたり減ったりするのでしょうか?

その仕組みを「プロジェクトワイルド」という環境教育プログラムのアクティビティを通して生徒の皆さんに体感してもらいました。
(プロジェクトワイルドはただのゲームではなく、アクティビティを体験しながら参加者の考える力を引き出していくものです。)

今回の授業ではプロジェクトワイルド内の「オーディア!」というアクティビティを工夫して、国の天然記念物にも指定されているツシマヤマネコを題材にしたものを行いました。

突然ですが、このブログを読んでくださっている皆様に質問です!

「野生動物が生きていくために必要な " 環境要素 " は3つあると言われていますが、その3つとはなんでしょうか?」

 

 

 

 

正解は、

動物が暮らすための " 棲み家 "

動物がからだや喉を潤すための " "

動物がおなかを満たすための " 食べ物 "

の3つでした! 正解できましたか?

野生動物はこれら3つの要素をバランスよく満たしながら生活しています。そのため、欲しいと思っている要素がなければ命を落としてしまいます。

それではアクティビティの様子を振り返っていきましょう。

まず生徒の皆さんには、先程紹介した3つの要素を表すポーズを覚えてもらいました。

棲み家(おうち)は屋根のポーズ ↓

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水は口から飲むイメージのポーズ ↓

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お腹をおさえるこのポーズは食べ物 ↓

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皆さんバッチリですね!

ここまで出来たらいよいよアクティビティのスタートです。

始めに数名の生徒さんにヤマネコ役になってもらいます。

手前側の生徒さんはヤマネコ、奥側にいる生徒さんは環境要素です。

(以下、ヤマネコさんと要素さんと書かせていただきます。)

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まず始めにお互い背中を向けます。

後ろを向いているので、要素さんはヤマネコさんが何を欲しがっているのかはわかりません。

職員の掛け声を合図に、一斉に1つのポーズをとりながら振り返ります。

「せーのっ!!」

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ヤマネコさんは自分と同じポーズをとっている要素さんを見つけ猛ダッシュ!

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ヤマネコさんと要素さんが同じポーズをとっている、ということはその時にヤマネコさんが生きていくために欲しかった環境要素が存在したということなので、ペアになることができた要素さんはヤマネコさん役に変わります。

つまり、繁殖して生息数が増えたということになります。

しかし、ペアになれなかった場合もあります。

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ペアになれなかった、ということはその時にヤマネコさんが欲しかった要素が手に入らなかったということになるので、そのヤマネコさんは命を落として自然に還ります。

そうです、環境要素になるのです!!

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この流れを繰り返していくと、始めは少数でスタートしたヤマネコさんの数はこんなに多くなりました。

しかしこの状態がずっと続くわけではありません。

ヤマネコさんの数が多くなってくると、要素さんの数が減っていきますね。

そのため、「せーのっ!」の合図で振り返った時、ヤマネコさんの欲しいと思う要素がなかった、または足りないという事態が起き、ヤマネコさんはまた自然に還って要素になる・・・ということを繰り返していきます。

また、車に扮した職員に轢かれるという事故によりヤマネコさんの数が減ることもあれば、保護活動者に扮した職員の手でヤマネコさんが増えることもありました。

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これはヤマネコさんの数の推移をグラフにしたものです。

数が減っている時は環境要素不足や交通事故が起こりました。

反対に増えている時は十分な環境要素があったり保護活動してもらったりした時でした。

野生動物が生きていくためには、要素のバランスが取れていることが大切です。

どれかひとつに偏っていてもいけません。そして、野生動物の数を増やすも減らすも、私たち人間が大きく関わっています。このアクティビティを通して、生徒の皆さんは野生動物の増減の仕組みを楽しく学ぶことができたようで私たちも嬉しくなりました。

お次は園内見学。

園路に移動し、日本の山里ゾーンの動物を見学しながら職員がガイドを行いました。

コウノトリ.jpg

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今回の授業では生息数が減ってしまっている動物と、人間と生息域が重なり問題になってしまっている動物とで、どのように接していくことが大切なのかを皆さんに考えてもらいました。

ガイド終了後は教室に戻り、この動物たちのために私たちができることは何だろう?というテーマで皆さんからの意見を募りました。

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こちらはコウノトリやヤマネコなど、生息数が減少している動物のためにできること ↓

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こちらは人間と生息域が重なってきてしまったサルやクマと暮らしていくためにできること ↓

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同じ動物でも、置かれている環境によって意見が異なりますね。

生息数が減っている動物も、人間と生活域が重なってしまった動物も、もともとの原因を作ったのは我々人間です。

これ以上事態が悪化していかないようにするためにも、ひとりひとりができることに少しずつ取り組んでいくことが大切ですね。

第3回の授業報告はこのあたりで。

次回は第4回、アフリカのサイに関する授業です。お楽しみに!(^^

ズーラシアスクール担当  相澤