更新日:2017.11.25ズーラシアスクール 第2回「どうしたの?傷ついた野生動物」
ズーラシアスクール 第2回「どうしたの?傷ついた野生動物」
先月、ズーラシアスクール第2回の授業が行われました。
今回のテーマは、「どうしたの?傷ついた野生動物」です。
まず、宿題の発表です。
一人ひとつずつ、身近な野鳥を答えていってもらいました。
みなさん、たくさん調べてきてくれたようで、驚きました!
授業の前半は、教室で身近な野生動物について勉強しました。
野生動物は、ペットや家畜とは違うということ。
野生動物が危機に直面している場面で私たちは「保護する」べきか「見守る」べきかについて、様々な意見が飛び交いました。
巣立ったばかりのヒナが親とともに過ごしている時期に、「ヒナがひとりぼっちだ!」と誤って保護されてしまうことがよくあります。野生での生態をよく知り、見守ることも時には大切だということを学びました。
横浜市の動物園では、傷ついた野生の鳥類、哺乳類の保護を受け入れています。
保護される数や種類、原因、野生に帰るまでの過程について紹介しました。
その後、後半は、園内の動物病院の見学をしました。
普段は非公開の施設ですが、前半の授業でお話をした、保護された野生動物の現場を実際に見てもらいました。
設備の整った病院棟を見学です。
診療室、検査室、解剖室など、多くの部屋があります。
保護される野生動物は鳥類が多いですが、哺乳類の中ではホンドタヌキが最も多いです。交通事故、病気など原因は様々ですが、生後間もない赤ちゃんが保護されることもあります。
野生に帰ることが難しいと判断され、動物病院でくらしているホンドタヌキを見学しました。
ハクビシンは農作物や人々の暮らしに被害を与えることもあるため一部では駆除もされていますが、現在動物病院には、保護された赤ちゃんがいました。保護と駆除、両極の現実に考えることもたくさんあるようでした。
鳥類では、フクロウを間近に見学しました。
普段は多くの人から見られる機会が少ないですが、終始落ち着いていました。
フクロウの体の特徴や習性、保護の原因などについて話を聞きました。
最後に、リハビリケージを見学しました。
野生に帰るための最終段階として、外気温に慣れたり、飛ぶための筋力をつけるところです。
教室に戻り、傷ついた野生動物と私たちとの関わり、そして、私たちには何ができるのかを考えてもらいました。
ズーラシアには年間300件程度、保護動物がきます。
私たちの身近には多くの野生動物たちが生息していること、怪我や事故など様々な理由で保護される野生動物たちがいること、そして、それぞれ動物たちが私たち人間と関わりがあることを知ってもらえればと思います。
今回の授業を通して、野生動物のことを正しく知り、まわりの人に伝えていくことも、身近な野生動物を守るための第一歩となることに気づいてもらえればと思います。
次回は、「日本の動物が危ない!?」
日本に生息する希少動物について学びます。
寒くなってきましたが、楽しく元気に勉強していきましょう!!(^^)
ズーラシアスクール担当:上田、牧野