更新日:2018.02.22シュウカンノチガイ
シュウカンノチガイ
一日の気温差が激しくなり、だんだん春の気配を感じるようになってきましたね。
ちょっと肌寒い日ある日、ニホンザルの展示場内にこんなものを設置してみました。
写真ではとっても伝わりにくいですが...、大きなフネに温か~いお湯とユズを入れてみました。
よく、雪の中でニホンザルが温泉に浸かって気持ちよさそうにしている映像を目にしますが、ズーラシアのニホンザルたちはどんな反応をするのだろう?ということで実践!興味を示してもらうために、予め大好きなユズもイン!という訳です。
早速、近づいてきたラン♀、5歳...と言っても、お湯ではなく浮かべてあったユズに反応。
ランのおこぼれを、すかさずベル♀、0歳もパクッ。
お湯に浸かるどころか、縁に座ってユズを堪能しております。
お湯に浮かべるものをもっと小さくしてみたらどうだろう...?ということで、
細かい圧ペン大麦と、夏に採って冷凍保存してあったブルーベリーを浮かべて設置。
ランのお兄ちゃんのシンジ♂、7歳も参戦!
少し離れたところから見ていたベルも参戦し、フネを囲んで圧ペン大麦の摑み取りが始まりました。
小さなごはんも上手にすくい食べ。手先が器用なニホンザルたちは、すくい方も上手です。
ただ...
お湯に入らないのねぇ。。。
......それもそのはず!
人間と同じように、ニホンザルたちも棲んでいる場所や環境によって異なる習慣があります。
全てのニホンザルが温泉に浸かったり、海でサツマイモを洗って食べたりする訳ではなく、
『温泉の近くに生息していたニホンザルたちが、冬に温泉に浸かると、温かいことに気づいて入り始めた独特の習慣』
『海の近くに生息していたニホンザルたちが、サツマイモを海で洗うと、塩味でおいしいと気づいて始めた独特の習慣』
があるから、その行動を取るのです。
ズーラシアでは、冬になると常に温かいお湯が入ったフネが設置されている訳ではないため、『お湯に浸かって温まる』のではなく、『お湯に浮いているごはんを食べる』行動を取っていました。
じゃあ、ズーラシアのニホンザルたちにも独特の習慣があるはず。今までニホンザルたちを観察してきて、これは独特...!と思った習慣を挙げてみます。
①洗い食べ
水がたくさんあるズーラシアの展示場では、洗って食べる光景がよく見られます。
②おしっこ、水溜まり拡げ
理由は分かりませんが、おとなも子どもも真剣に地面とにらめっこ。
③泳ぐ
水に入って涼んだり、落ちたごはんを探したり。
④枝集め
ごはんを食べた後、展示場内の枝を集め始め、ある程度集めるとポイっとします。
理由は分からないけれど、彼らなりにこだわりがあるのでしょう。
まだまだ変わった習慣が発見できるかもしれません。暖かくなってきたら、ぼーっとニホンザルを観察しに動物園へ来てみてはいかがでしょうか?
≪追記≫
昨年11月に「大人のための一日飼育体験」で作成していただいた筏を展示場内に設置しました!もう少し暖かくなれば、乗って遊ぶこともあるかもしれません!!
(飼育展示係 西川)