更新日:2019.02.12節分事件
節分事件
2月3日の日曜日。
毎週日曜日に開催している「ポニーのジャンプショー」の最後に事件は起きた・・・。
司会(私):「みなさん!今日は何の日かわかりますか?」
男の子:「節分!」
司会:「そうです。節分です!」
ということで、頑張ってジャンプしてくれた「ゆうすけ」に豆をあげるという、思いつきイベントを実行することにしたのです。もちろん、豆をポケットに仕込んでおいたので、準備は万全!
司会:「それでは、ゆうすけの年の数だけ用意した豆をあげていきたいと思います。唇を使って小さな豆も上手に食べてくれます。」
ここまでは予定通り。饒舌になりペラペラと馬の口の使い方の解説もしています。
司会:「それではご注目ください!!!」
みなさんの期待の眼差しがゆうすけの小さな口元に集中しています。
ゆうすけ:(クンクン)匂いを嗅いでます。
ゆうすけ:(もぞもぞ)鼻先で感触を確かめています。
ゆうすけ:(クンクン)匂いを嗅いでます。
司会:(あれ?)
ゆうすけ:(ハムハム。ぺっ。)
司会:(あああ!!吐き出した!!!)
お客様:「ざわざわ」
司会:(もうちょっと粘ってみようかな?ほら。お願いだから食べて!)
お願いも虚しく、どうやら食べないようです。数年前にあげた時には食べたのに!仕方ないのでニンジンをあげてお客様には口の動きを見てもらい、なんとかその場を納めました。しかし、縁起物なので引くに引けなくなってしまい。
司会:「夕方、お部屋に戻ったら年の数だけ豆をあげておきますね・・・。」
と言ってこの日のショーは終わりになりました。
さて、その後ゆうすけは豆を食べたのでしょうか?
私:「ほら。豆だよ。」
ゆうすけ:(クンクン)
私:(やっぱり食べないか・・・)
ゆうすけ:「ボリボリ」
私:(食べた!!!)
このあと、あっという間に年の数だけ食べきりました。
一度食べておいしい(安全だ)とわかっているものはすぐに食べますが、やはり見慣れないものはすぐに食べないのが動物ですね。事前に食べる練習をしたら年の数よりも多く食べてしまうと思い、実際にあげていなかった私のミスです・・・。
ところで、「馬に豆なんてあげていいの?」と思った方もいるのではないでしょうか?
もちろん、食べさせても問題ありません。
運動量の多い馬や成長期の馬には、麦や豆、トウモロコシなどの穀物をあげることがあります。このような高タンパク高カロリーの飼料を濃厚飼料(のうこうしりょう)と言います。一方で、牧草のように繊維が多く、濃厚飼料よりも低カロリーの飼料を粗飼料(そしりょう)と言います。
一般的に粗飼料よりも濃厚飼料の方が嗜好性が高く、好んで食べるはずなのですが、今回はちょっと・・・。また、好きだからとか栄養価が高いからといって濃厚飼料をあげ過ぎてしまうと肥満や病気の原因になりますので注意が必要です。
馬は本来、草を食べて生活していた動物です。体も繊維が豊富な草を食べるのに適したようにできています。
ぱかぱか広場の馬たちも主食は牧草です!
今回は少しだけど、他の馬たちにも年の数だけ豆をあげました。
おいしい豆を食べることができて幸せそうな馬たちでした。
めでたし、めでたし。
ぱかぱか広場 北川健史