更新日:2020.02.29ズーラシアスクール第6回「守ろう!アジアの熱帯林×動物たちの未来」
ズーラシアスクール第6回「守ろう!アジアの熱帯林×動物たちの未来」
みなさま、こんにちは。
2月15日にズーラシアスクール第6回の授業を行いました。
テーマは「守ろう!アジアの熱帯林×動物たちの未来」
このテーマを聞いてみなさんは熱帯林と動物のどのような関わりを思い浮かべるでしょうか?
まずは子供たちに謎解きゲームをしてもらいました。
このゲームはアジアの熱帯林ゾーンを回りながら、いくつもの謎を解き、ミッションをクリアしていく体験型ゲームとなっています。
謎を解いていくとアジアの熱帯林で起きている環境問題がキーワードとなって浮き上がってきます。
子どもたちはいち早くゴールにたどり着こうと、グループで話し合いながら一生懸命謎を解いていました。
「RSPO」という答えを導きださなくてはいけない謎では、子供たちが知らない言葉だったため、大変苦労しているようでしたが、全員なんとかゴールまでたどり着きました。
ゴール手前のミッションではすべての謎を解いて導き出したキーワードをポテチを持った人に伝えると「パームの実」が描かれたカードをもらえるというものでした。
ポテチを持った人は本物の他にダミーで職員が立っていたりとひっかけも・・・
全員ゴールにたどり着いたところで教室に戻ってお勉強の時間です。
まずは謎解きの答え合わせとゲームでもらった「パームの実」についてのお話をしました。
ゲームが終わってパームの実ってなんだろう?と思っている子供たちは多かったようです。
アブラヤシという木になる実をパームの実と呼んでいて、その実からとった油は私たちのとても身近な食品に使われていることが分かったようでした。
しかし授業はこれで終わりません。
近年、このパームの実から油をたくさんとるために、熱帯林は伐採されてアブラヤシの畑(プランテーション)がどんどん広がっています。
熱帯林が伐採されることで、動物たちの生息地が減り、数も減ってきています。
アジアの熱帯林に暮らす動物に限ってのことではなく、ズーラシアの人気動物「セスジキノボリカンガルー」もプランテーション拡大による被害を受けていることを学びました。
では、私たちには何ができるのか。
「なるべく環境に配慮されたものを買う。」これも日々の生活の中で取り組みやすいものの一つだと考え、子どもたちに家からエコラベルのついた商品の箱や袋を持ってきてもらいました。
自分たちが持ってきた商品についているエコラベルにはどんな意味があるのか、正解を教える前に子供たち自身に考えてもらい、グループ内で発表してもらいました。
こうして持ち寄ってみると身近なものに様々なエコラベルがついていることを発見できましたね!
謎解きの答えにもあった「RSPO」も実はエコラベルのひとつです。
「RSPO」という言葉自体は「持続可能なパーム油のための円卓会議」という組織の名前です。
このマークがついている商品はパーム油の持続可能な生産が出来ていると認められた農園や工場で作られたもののみにつけられるため、これらを使うことで、動物たちの生息地をさらに減らしてしまうことを防ぐことができるかもしれません。
しかし、子どもたちに持ってきてもらった商品にRSPOマークはついていませんでした。
RSPOマークの付いた商品は、ヨーロッパやアメリカではかなり広まっているのですが、日本ではまだあまり普及していないのです。
職員が持っていた食器洗い洗剤などにはついていたので、この授業をきっかけに探してみてもらえるといいなと思っています。
最後に2030年までに達成すべき17の目標である「持続可能な開発目標:SDGs」について紹介をしました。
「SDGs」という言葉を知っている子供たちがとても多く、職員の方が大変驚きました。
「環境に配慮されたものを買う」「温暖化防止のためにできること」など、これまでズーラシアスクールで考えてきたことの多くが、このSDGs達成につながっています。
2030年というとちょうど10年後。子どもたちは20歳になっています。大人になった時のことを考えるきっかけになったかと思います。
半年間いろいろなテーマに沿って学んできました。
今回で9期生の授業は終了になります。
生徒たちは何を感じ、何を考えてくれたのか・・・
この先の長い長い日々の中で環境問題や動物たちにさらに興味を持ち、深めていってくれたら嬉しいなと思っております。
そしてまた動物園にご家族やお友達と遊びに来てくれる日を楽しみにしています。
ズーラシアスクール担当:くわばら