更新日:2020.06.25カモメの恋(キアシセグロカモメ編)
カモメの恋(キアシセグロカモメ編)
前回は、4月中旬に始まったウミネコの繁殖期の様子をお伝えしましたが、今回はそのキアシセグロカモメ編です。(以下セグロカモメと省略)
少し時間がたちましたが覚えていらっしゃるでしょうか?
展示場内には、ウミネコ16羽とセグロカモメ8羽がいます。
ウミネコに比べ当然、ペアになる数は少ないのですが...
それだけでなく、毎年2つできるペアのうち1つが昨年に解消されてしまいました。
過去、3羽のヒナが誕生していますが、
昨年解消されています。
このペアは毎年卵を産んでいますが、近年では無精卵(ヒナがかえらない卵)が多くなっています。
ところで、、、
カモメたちの脚についている色のついた輪っか(カラーリング)は個体識別のために使っていますが、この展示場では右についてるのがメス、左についているのがオスです。ぜひチェックしてみてください!
今年度はこのペアのみになるのかと思っていたら
新しいペアが出来ました!
しかしこの2羽は親子なので、仮に産卵したとしても残念ながらかえすことができません。
それでも、本人たちは
頑張って巣材を運んでいました。
ふと、カメラに気がつくと
ひょこひょこと
近づいてきました。
近づきすぎて画面におさまりきらないほどに.........
この、姿勢が良く頭を引いた様子はいわゆる「威嚇」のポーズのため、見ていた私を追い払おうと近づいてきたようです。
繁殖期のオスは特に攻撃的で、営巣中の場所をさけて通っていても後ろ姿を見せると飛んできてくちばしでつつかれることも良くあり、毎日が戦いです。
毎年ペアを作っている2羽は今年もきれいな巣を作っていました。
しばらくすると、5月下旬に1つ
6月上旬には3つに。
ほかのセグロカモメやヘビからの食害を防ぐ意味や、過度な産卵を抑制する意味で偽卵と交換しました。ペアは抱卵していましたが、
抱卵中のペアはというと...。
順番に抱卵と見張りを繰り返し、私が巣に近づくと2羽で必死に威嚇してくるのでした。
通路の脇に営巣しているため、どうしても毎回近づいてしまうのですが「ごめん!ごめん!」と言いながら通ると心なしか落ち着くのが早い気がします。
気持ちって大事ですね。
そして気になる卵はというと.........。
残念ながらすべて無精卵でした。
今年度の繁殖期は終盤に入ってきましたが、まだ(偽卵を)抱卵していますので見かけた時は温かく見守ってください。
今年度のウミネコ・セグロカモメの繁殖期では、残念ながらヒナの姿を見ることはできませんでした。しかし、新ペアの結成や食害対策など多くの進歩もありましたので、来年度以降につなげていきたいと思います!
だんだん暑くなってくるこれからの季節は、水浴びをして涼しげにしている姿を見ることができるかもしれません。足を運んでいただけたらと思います。
2年目飼育員 脇田