更新日:2021.03.18ケープハイラックスのとっておきタイム①
ケープハイラックスのとっておきタイム①
ネズミじゃないよ!
ハイラックスだよ!
みなさん、こんにちは。
新型コロナウイルス感染症の防疫のため、みなさまの前でのとっておきタイムは、休止しています。
12月には、徐々にとっておきタイムが再開していましたが、ケープハイラックスのとっておきタイムは気づけば約1年半できていません。
そこで、ブログでケープハイラックスのとっておきタイムをしたいと思います。
~ケープハイラックスの愛称当てクイズ~
この個体は誰でしょう?
ケープハイラックスはアフリカ中部と南部に広く生息している草食動物です。
コピと呼ばれる岩山に数十頭の群れを作り、岩の隙間をすみかとしています。
ケープハイラックスは、ずんぐりむっくりしている見た目から、昔はネズミの仲間とされていました。
しかし、現在では肢の骨の構造や遺伝子の研究から、ネズミではなくゾウに近い仲間といわれています。
よく「ゾウの仲間」と勘違いされる方がいますが、あくまでも共通の祖先から分岐しているという意味なので、「近縁」という扱いになっています。そのためケープハイラックスはイワダヌキ目ハイラックス科という独立した種に分類されています。
ケープハイラックスは色々な動物の特徴を持っているため分類が非常に難しく、混乱した歴史があります。ネズミのように上顎の門歯が伸び続け、上顎の臼歯はサイ、下顎の臼歯はカバに似ています。全体の骨格はサイに、前肢の手根骨はゾウに似ています。さらに内臓の構造は馬に似ているのです。
ケープハイラックスの大きな特徴の一つに、上顎の発達した牙があげられます。草食動物なのに、まるで肉食動物のような牙を持っています。この牙はいわゆる前歯(門歯)であって、肉食動物の牙(犬歯)とは異なります。
また牙はゾウやネズミのように一生伸び続けるため、枝やエサを食べることで、研いでいます。
それ以外にも下顎に生えている2本の歯の間を通すことで研いでいるとも言われています。
しかし、こんなに鋭い牙でも外敵と戦うときの武器にはならず、オス同士の闘争で使う程度の攻撃力しかありません。
口元をよく見ると、牙の先端が少しだけ飛び出しています。
ケープハイラックスを見るときはぜひ観察してみてください。
今回のとっておきタイムはこれで終わりになります。
まだまだ続きますので、お楽しみに!
それでは、最初に出したケープハイラックスの愛称当てクイズの答えを発表したいと思います。
答えは...「ナクル」です。
飼育展示係 矢向