更新日:2021.03.26蹄の形のひみつ
蹄の形のひみつ
すっかり春らしい陽気になってきましたね。暖かくなってきて、人も馬も頑張って運動した後には少し汗ばんでいます。
汗をかいて毛並みが少し乱れてしまっています。
運動を終えた馬場の様子を見ていると・・・。
同じところを走った足あとがくっきり。馬を扱っている人たちは、蹄(ひづめ)の跡なので足あととは言わず、蹄跡(ていせき)とよく言います。今回はわかりやく足あとと書きますね。
くっきりと残された足あとも。実は足あとは前肢と後肢で形が違うのです。今回はその形の違いを解説します。
それでは、光翔の前肢と後肢の蹄をよーく観察してみましょう。
こちらが前肢の蹄です。
裏側も見て見ましょう。
このようになっています。
そして、こちらが後肢の蹄です。
裏側は・・・。
どちらも丸の中に三角形があって似ていますね・・・。
みなさん違いがわかりました??(わかりにくいかな?)
私もわかりにくいと思ったので、紙とペンを用意して、こんなことをしてみました。
前肢の蹄の下に紙を敷いて・・・
赤いペンでなぞります。
次は、後肢です。
黒いペンでなぞります。
さて、結果は!?
前肢(赤い線)の方が丸くて少し横に広いですね。そして、後肢(黒い線)の方が少し縦長ですね。
一般的に馬の蹄は、前肢は丸く、後肢は縦長です。
四つ足で走る多くの動物は、歩いたり走ったりする時に、後肢は前方向に推進するために使います。もちろん前肢も使うのですが、前肢にはもう一つ大切な役割があるのです。それは、進む方向を決めるということです。右や左に曲がる時に重心を移動して舵を切り、その時に重要になるのは前肢なのです。仮に前肢が極端に縦長だったら、右や左に曲がった時に安定しなくなってしまいます。一方、後肢は左右に安定するよりも前後方向にエネルギーを無駄なく伝えられるように縦長なのです。
と偉そうに解説してみましたが、以前に専門の方々から教えてもらった受け売りです。
特に馬は首が長く、前方が重くなっているので、前肢の蹄が丸い方がよかったのでしょうね。これがわかれば、蹄鉄を見ても、前肢についていたものか、後肢についていたものかわかりますね。
それでは、ここでクイズです。
この蹄鉄は前肢用ですか?それとも後肢用ですか?
縦長の形をしているので、おそらく後肢でしょう。
こちらは丸い形をしているので前肢かな?
蹄の形の違いがわかれば、こんなこともわかってしまいます。自分で蹄鉄を持っている方がいましたら、見てみても面白いかもしれませんね(もっとよく見れば右か左かも推測できます)。
ちなみに我が家の犬の足も前肢の方が大きく横に広く、後肢の方が小さく縦長になっています。動物種は異なりますが、おそらく同じような理由で同じような形になっているのでしょうね。なんだか面白いですね。
ぱかぱか広場 北川健史