更新日:2021.06.26リカオンの同居の続きの話
更新日:2021.06.26
リカオンの同居の続きの話
前回のブログでリカオンの同居を開始したとご報告しました。
今回はその後のお話です。
エースと、サボのオス2頭は同居前からすでに力関係がはっきりしていました。
サボが優位、エースが劣位。ごくたまにエースが反旗を翻しマウント行動をとったとしても、
サボがうっとうしそうに逃げ、声を荒げると、またいつも通りの優劣関係へ戻る、そんな間柄に見えていました。
野生のリカオンは、オスとメスが複数いる群れで行動し、性別ごとに序列が決まっています。
最優位のオスとメスのみが繁殖し、他の群れの個体は子育てを支援することが知られています。
(ただ、基本的には...なので、劣位の個体が妊娠する事例の報告もあります)
そんなオス2頭だからこそ、メスのジュリと同居してもオス同士の闘争にはならないのでは?
との予想の元、同居を開始しました。
結果は、今のところサボとジュリの距離が近く、
ジュリがサボの体の下をくぐったり
ジュリが地面に体をこすりつけていた時には、近寄って行ったりしていました。
一方、エースはそんな2頭をやや離れたところで見ています。
写真には収められなかったのですが、エースとジュリが一瞬険悪になって、ジュリがエースにかみつこうとした際、サボが間に入って騒ぎが収まったこともありました。
そして、変化がもう一つ。
展示する放飼場を日によって変えているのですが、地面へのマーキングが盛んになりました。特に放飼直後はサボとジュリの臭い付けが顕著で、他個体のマーキングした場所への滞在時間が長くなったように感じます。
ジュリは壁にも
今のところ、繁殖行動は観察できていませんが、これからも3頭の様子を注意深く見ていきたいと思います。
(飼育展示係 橋本)