更新日:2022.02.09スマトラトラが逃げた!?~ズーラシアの捕獲訓練~
スマトラトラが逃げた!?~ズーラシアの捕獲訓練~
皆さんは職場や学校で防災訓練をやったことがありますか?
万が一災害や火事などが起きた際に、安全に避難するために訓練を実施するところが多いかと思います。
動物園でも年に一度、動物逃亡訓練という普通の避難訓練とは少し違った訓練を行います。
これは地震などの自然災害が起こった際に展示場や獣舎が損壊して飼育動物が逃げ出してしまった状況を想定して、来園者の避難誘導や動物の捕獲手順や方法、連絡体制などを確認する訓練です。
ズーラシアでも毎年実施していますが、昨年度は新型コロナウイルス感染症対策で中止しました。2年ぶりの実施となる今回の訓練の様子をご紹介します!
訓練当日の13時30分頃に地震が発生、各飼育員が担当獣舎の安全確認を行っていたところ、スマトラトラが逃げ出しているのを担当者が発見しました。
園路に残っているお客様を安全なところへ誘導する職員とスマトラトラを捕獲する職員の二手に分かれました。
まずは誘導組が園路にいるお客様を園外へ誘導しました。
お客様の避難が完了したら門を閉鎖し、園外へスマトラトラが出てしまわないようにしました。
(藪の中にスマトラトラが!)
(職員が園路にいるお客様を確認)
(職員がお客様の前後について園外へ誘導)
その頃捕獲組はスマトラトラを捕獲するインドライオンとゴールデンターキンの間にあるトンネルへ誘導するために、スマトラトラの様子を監視しながら車両や厚手のシートを使ってバリケードを作りました。
(園路でうろつくスマトラトラ)
(無線でスマトラトラの状況を職員同士で共有)
(トラックでトンネルの出口を封鎖)
お客様の避難とバリケードの設置が完了したところで、いよいよ捕獲を開始しました。まずはスマトラトラを車両でトンネルまで追い込み、出口をふさいでいるトラックと挟み撃ちにしました。
(車両に追われるスマトラトラ)
(挟み撃ちされたスマトラトラ)
そして逃げ場所を封じたところで獣医師が麻酔銃を撃ち、無事に捕獲しました!
(麻酔が効いていることを確認)
(網で体を覆います)
(最後は車両に乗せて獣舎まで運びます)
訓練終了後は参加した職員全員で振り返りを行い、それぞれ気付いた問題点や課題を確認しました。
着ぐるみのせいで楽しそうに見えてしまいますが、実際に捕獲を想定した動きをしてみないとわからないことも多く有意義な訓練になりました。
(訓練後の振り返りの様子)
今回訓練で行ったようなシチュエーションは実現してほしくないですが、災害はいつやってくるかわかりません。
今後も様々なシチュエーションで訓練を行い、有事の際に動物と人の双方の命を守れるように準備していきます。
(飼育展示係 岡﨑)