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~ カリバチ ~の写真

更新日:2022.08.08~ カリバチ ~

更新日:2022.08.08

~ カリバチ ~

今日は8月8日ということで「ハチの日」かと思ったのですが、違いました・・・
(5月20日が「世界ハチの日」、3月8日が「ミツバチの日」、8月3日が「はちみつの日」だそうです。)


それでも、めげずに今日はハチの仲間のお話をします。
「カリバチ」もしくは「カリウドバチ」と呼ばれるハチたちです。


サトジガバチ
サトジガバチ.jpg
サトジガバチがイモムシをくわえています。

すぐに食べるのかと思ったら、そのまま運んでいきます。
後をつけてみると・・・
サトジガバチの巣1.jpg
地面に小さな穴があいている場所に来ました。
そして・・・
サトジガバチの巣2.jpg
イモムシをくわえて、中に入っていきます。

実はここ、巣穴なんです。
サトジガバチはイモムシに毒針を刺し、麻酔をかけて動けなくしていたのです。
それを巣穴に運んで、卵を産み付けます。
サトジガバチの巣3.jpg
親バチは卵を産み付けると巣穴から出てきて、砂をかけて穴をふさぎます。

イモムシは死んでいないので、腐ることなく保存されます。
そして、ハチの卵が孵化し幼虫になります。
すると、そこには新鮮なごちそう(動けないイモムシ)があるのです。
幼虫は安全な巣穴で用意されたごちそうを食べ成長し、サナギになり、羽化して成虫になって外の世界に出てくるのです。

イモムシにとってはたまったものじゃありませんが、ハチの子にとっては至れり尽くせりの居住空間です。


他のハチでは・・・
クロアナバチ1.jpg
クロアナバチ
クロアナバチ2.jpg
サトジガバチはイモムシをねらって狩りをしますが、クロアナバチはキリギリス科の昆虫をねらいます。
この後、同じようにハチの子のごちそうになってしまいます。


ツマアカクモバチ
ツマアカクモバチ.jpg
名前の通り、クモをねらって狩りをします。
しかし、クモを捕まえたまでは良かったのですが、獲物が大きすぎたようで、これ以上動かせなくなり、途中であきらめていなくなってしまいました・・・

3時間後くらいに見に行ってみると・・・
アリのエサとなったクモ.jpg
今度は動けないクモにアリが群がってきていました!

このシーンを観察して、自然は余すところなく利用され、いろいろな生き物が複雑に関係しているのだと、つくづく思い知らされました。


カリバチの行動は面白いので、探してみてください。
乾いた砂地に小さな穴があったら、ハチが飛んでくるかも?
セミの幼虫が出てきた穴と間違えないようにしましょう。

ファーブル昆虫記にも載っていたと思います。

鈴木