更新日:2023.05.02ノウサギ秋・冬・春コレクション
ノウサギ秋・冬・春コレクション
トウホクノウサギ、シロフクロウ、フクロウ担当の中川です。年明け位にブログを書けたらいいな~と思っていたら年度が明けてしまいました。本年(度)もよろしくお願いいたします。
さて、今回のタイトルは「ノウサギ秋・冬・春コレクション」です。トウホクノウサギ担当の私にとって「ウサコレ」といえば、ズバリ!ノウサギたちの毛の色が変わる時期が到来したことを意味します。今回は、私が撮り溜めたノウサギフォトコレクションから「なずな」の写真を半年分ピックアップしたので、その変化を感じていただければと思います。
まずはこちらから。2022年の9月の写真です。まだ亜寒帯の森ゾーンの工事が始まっておらず、展示していました。少し遠目ではありますが、全身が茶色いのがおわかりいただけるでしょうか。これがいわゆる「夏毛」です。
野生のトウホクノウサギは、本州の日本海側や東北地方などの積雪地帯に生息しています。雪が積もったり、気温が高くなり雪が解けたり、季節によって地面が変化しますが、ノウサギたちの体毛もこの季節の変化に合わせて色を変えていくのです。
工事が始まり、10月に展示場からバックヤードに移動しました。こちらはまるで靴下を履いているような状態がかわいくてたまらん2022年の11月の写真です。ズーラシアのトウホクノウサギたちは、大体9月下旬から10月初旬にかけて白くなり始めます。変化し始める部分は個体差がありますが、この写真のなずなは足と耳から白くなってきています。
12月に入ると体全体が白くなってきましたが、まだ完全には白くなっていません。目元や鼻の周辺がまだ少し茶色くて目出し帽をかぶっているみたいですね。これもまたかわいい。
1月になるころには、完全に全身真っ白になりました。これが「冬毛」です。ちょっと上に戻っていただき夏毛の写真と比べて見ると、その差は一目瞭然です。
最初にノウサギたちは地面の変化に合わせて体毛を変化させると話しましたが、参考までにこちらは今年の2月10日の写真です。少しわかりづらいかもしれないですが、なずなの背景には真っ白な雪が積もっています。このように地面と同じ色をして、その上でじっとすることで天敵に見つからないよう厳しい野生の世界を生き抜くのです。
今年の3月の写真です。が、ほとんど2月の状態と変わりありません。暦の上では春でも雪解けにはまだまだ時間がかかるのですね......。
最後は朝の陽ざし降り注ぐ今年の4月8日の写真でおしまいです。「え、急に茶色になってるじゃん」というみなさまのお声が聞こえてくるようですが、私も同感です。この姿を見ると春が来たなと思うようになってきたノウサギ担当3年目の中川でした。
さてさてみなさま、今回の「ウサコレ」はいかがだったでしょうか。この色の変化は日照時間(太陽が出ている時間)が影響していると言われています。日照時間は夏になるほど長く、冬になるほど短くなります。この日照時間の変動で体毛の色が変化しますが、その変化を感じ取れるとは、動物の体の仕組みには驚かされます。
今回はこのあたりでお別れです。
それではみなさん、今年度も中川のブログを広い心と長い首でお待ちください~。
~次回予告~
以前からずっと書いてみたかった毛の変化を伝えるブログが書けて満足な中川。
3年目の今年はなにかしら飛躍できる一年にしたい。そんな風に考える彼のそばであるものの鼓動が聞こえ始めるのであった、、、。
果たして春のうちに次のブログを仕上げられるのか。今年もこんな感じをよろしくお願いします。
次回 「雑草ハンター降臨」 ハサミスタンバイ!
ハサミとはいつも使っている剪定バサミのことです 中川