更新日:2023.05.02アカカンガルー「トニオ」安らかに
アカカンガルー「トニオ」安らかに
皆様こんにちは。
新学期が始まっていかがお過ごしでしょうか?
今年度初めてのアカカンガルーのブログですので、元気よくいきたかったのですが、残念ながら悲しいお知らせとなります。
4月11日にオスの「トニオ」が死亡しました。
トニオはオスの中でも片目、片耳のない「独眼竜」として以前のブログでもご紹介しました。
(その時のブログはこちら:アカカンガルー個体紹介 オス(前編))
その見た目とは裏腹に、よく食べ、よく寝てのんびり過ごしていたのですが、2022年秋ごろから徐々に採食量が落ちていき、2023年2月頃から大幅な体重減少が見られるようになりました。
老齢個体で歯の上下の噛み合わせがほぼなくなっていたことなどから、上手く自分で採食ができていないのではないかと考え、朝夕2回の給餌に加え、個別で日中給餌を行っていました。
お天気の良い日には展示場でのんびり過ごしたり、他のオスと一緒に「飼育員のとっておきタイム」中におやつをねだりに来たりと、最後までトニオらしく過ごしていました。
4月11日朝、飼育担当者がいつも通り「おはよう」と挨拶をすると顔をあげ、お湯を飲む姿を見て、ほっと胸をなでおろし、他の動物たちの世話に行きました。
その後1時間もしないうちにトニオの様子を見に行くと、眠るように死亡していました。12歳と9か月でした。
あまり比喩的表現を使うのもどうかと思いますが、最後の最後、挨拶をして去っていったように思いました。
何か月もトニオのために毎日個別でエサを準備していたため、トニオがいなくなって最初の数日は無意識に個別にエサを用意しようとしていた自分がいました。
今回トニオの飼育に携わり得られたたくさんの経験や、知識。
そしてその中で感じた様々な気持ちも含めて、今後ズーラシアで過ごすアカカンガルーたちに還元していきたいと思います。
トニオ、どうか安らかに
アカカンガルー飼育担当