更新日:2023.01.04フンボルトペンギンを育てる その3
フンボルトペンギンを育てる その3
お待たせしました!(待ってない?)
「フンボルトペンギンを育てる」シリーズ、第3弾です。
(前回のブログはこちら:フンボルトペンギンを育てる その2)
2021年に生まれた別のヒナは、平均よりも体重が少なく、元気もなくなってきたので、親鳥の腹の下からそっとヒナを取り上げて、飼育担当者が餌を与えて育ちました。
そんなことがあったので、今回は親鳥が非常に面倒見がよく熱心にヒナのお世話をしている様子をみて、私は安心していました。
ところが...
それぞれ8日齢と6日齢の時の写真です。
孵化した日は2日しか差がないのに、ずいぶん体格差があります。
親鳥から餌をもらうと、ヒナの下腹部はパンパンに膨らみます。しかし、先に生まれたヒナは腹が膨れているのに、後に生まれたヒナの腹はたるんでいることが多くみられるようになってきました。
きょうだいに成長の差がでることはある程度は予想していたので、親鳥への給餌回数を増やしたり、魚種を追加するなどして様子をみました。
そして、16日齢と14日齢の写真がこれです。
あとからデータを見て言えたことですが、体重差(赤い矢印)が最も大きくなりました。
(青い点が先に生まれたヒナの体重、オレンジの点が後に生まれたヒナの体重です。)
さらに追い打ちをかけるような事態がおこりました。
なんと、1羽目が巣穴を離れるようになってきたのです。
日齢的には巣箱から顔をだして外の世界をのぞく、という行動はみられますが、こんなに頻繁に出てくることはありません。今思えば、気温が高いせいもあって、巣箱の中が暑くて出てしまったのかもしれません。
巣箱の中には2羽目のヒナが取り残されることが多くなりました。
懸命に声をあげて親鳥をよびますが、親鳥は巣穴を離れたヒナを見守るのに夢中です。
この時点で、2羽目のヒナが元気に育つのは厳しくなった、と判断しました。
そして親鳥からもらう餌の量から、足りない分を担当者が補って給餌をおこなうことをはじめました。
がんばれ2羽目!
つづく。
飼育展示係 五十嵐