更新日:2023.10.06ララ、ありがとう。
ララ、ありがとう。
2023年10月5日、ピグミーゴートのララが致死的処置により死亡しました。今回のブログはその経緯と様子についてお伝えします。
今年4月のブログでもお伝えしていましたが(その時のブログ:祝!ピグミーゴートのララ15歳)、昨年4月頃から肢の調子が悪くなり、歩行時にふらついたり自ら休息する姿勢が取れないなどの様子が見られました。蹄の形も変形し、蹄低には潰瘍ができるなどの症状もあり、担当一同でケアをおこなってきました。私たちが介助するところや、ララの歩く姿を見て心配していただくことも多くありました。
体調によって波はありましたが、基本的には採食は良好で、大好きなクワやクズをたくさん食べてのんびりと過ごしていました。
9月の後半から、歩行時にふらつくことが増え、あきらかに両前肢に力が入っていない状態になってしまい、転倒の際の怪我に備え少しでも負担を軽減できればと思い、室内の壁にマットやクッションを設置しました。柵にはカバーを取り付け、私たち飼育員ができる対応をしてきました。
初めのうちはクッションの上で体勢を安定させて休む様子も見られましたが、最近はそれも嫌がったり落ち着かずにすぐに立ち上がったりするようになりました。9月末からは、夜間転倒して自ら起き上がれずに横たわったまま体勢を整えられず、疲れた様子で朝を迎える日が続きました。
ララの動物の生活の質(QOL)の低下が著しいと判断し、今後も回復が見込めない状態であることから、致死的処置となりました。
ララは2015年のアフリカのサバンナゾーンの開園に向け、2013年にズーラシアへやってきました。ふれあいのスペースで会ったことがある方もいるのではないでしょうか。ララは他の個体に比べるとマイペースで、落ち着いた雰囲気のヤギでした。姉妹のキキ(2020年に死亡)と見た目はそっくりでしたが、少し丸めの体と長いヒゲが特徴的でした。時々お尻をこちらに向けて、かいてほしいアピールをする姿がかわいらしい一面もありました。
4月には15歳の誕生日を迎え、たくさんの方にお祝いの言葉をいただきました。ララがたくさんの方に応援してもらっていることを実感し、ありがたい気持ちでいっぱいになりました。
寿命と言われている15歳を迎えられ安堵すると同時に、ララの状態を見て動物福祉とはなんだろう、QOLとはなんだろう、何をするのがララにとってベストなのかなど、たくさんのことを考えながら担当一同ケアをおこなってきました。これからもこの経験や思いを忘れずに、動物たちと向き合っていきたいと思います。応援ありがとうございました。
最後にララとの思い出写真を数枚紹介します。
2021年4月体重測定をしている様子。元気な頃は、本当にまるっとした体形でした。
シラカシの葉とクローバーを食べるララ。最近まで、大好きな葉は座りながらも頬張っていました。昨年の冬の時期はララの好きな葉が落葉してしまい、餌となる植物探しが大変でしたが、春になり新芽が出てくるころまでララが過ごせたことに担当一同うれしい気持ちを共有しました。
これは先月22日の様子です。寝室から外を眺めている日もありました。展示場にいるコロネも時々、ララの様子を気にして見に来ることも。
献花台を設置する予定はございませんので、献花等、動物園にお寄せいただくことはお控えいただきますようお願いします。ぜひ皆様の中でララとの思い出を振り返っていただけるとうれしいです。ララを応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
ピグミーゴート担当一同