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更新日:2019.01.24スイセンにもいろいろあります

更新日:2019.01.24

スイセンにもいろいろあります

特に寒いこの時期ですが、スイセンの花が健気に咲いています。現在開花中の真っ白な花の「ペーパーホワイト Narcissus papyraceus」やお正月に飾られる「スイセン(別名ニホンズイセン)」はひとつの花茎に数輪の花を着けるフサザキズイセン(房咲き水仙)の仲間です。フサザキズイセンは分類学的にはNarcissus tazettaを指し、広い意味でその近縁種、またはそれらの園芸品種も含めます。なんとこのフサザキズイセンの仲間は園内だけでも6種類あって、現在そのうちの1つを除いて開花中です。フサザキズイセンはもともと地中海沿岸に分布している植物で、そのうちの1タイプが遥か昔、遠い日本にたどり着いて、各地の海岸沿いに半野生の状態で生えるようになりました。
もうひとつスイセン属を代表するのが黄色い大きな花を咲かせるラッパズイセンです。こちらは主にアルプスなどの山岳地帯が原産地で、英国ではラッパズイセンをダッフォディル Daffodilと呼んでフサザキズイセンと区別します。(ラッパズイセンはちょっと遅れて3月頃開花します。)

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こちらはいわゆる「スイセン」学名Narcissus tazetta subsp. chinensis。ちなみに属名のナルキッススNarcissusは自己愛の象徴・ギリシャ神話に登場する美少年・ナルキッソス(またはナルシス)に由来しています。ナルキッソスは水面に映った自分の美しさに心酔し、そのまま水の中に落ちてしまいました。その水辺に咲いた花がスイセンなのだそうです。そうナルシストの語源でもありますよね。

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似て非なるもの。こちらはNarcissus tazetta subsp. italicus。スイセンに似ていますが、よく見ると白い萼と花弁はスイセンより細く、中央の副花冠(こちらも花弁)はやや薄い黄色です。このほかに黄色い花を咲かせる「グラン・ソレイユ・ド・オール Grand Soleil d'Or」やその八重咲きも見られます。寒いですが、ご来園の際は是非'水仙ウォッチング'をしてみて下さい。