横浜市こども植物園公式サイト

リバイバルの写真

更新日:2022.09.16リバイバル

更新日:2022.09.16

リバイバル

リバイバルと題しましたが、実は一昨年に少し展示しました「シロバナホウセンカ」。インド原産のホウセンカ Impatiens balsaminaの白花個体を固定(種子を播いても一定の花色の個体しか出現しないこと)させたこども植物園オリジナル品種です。開園翌年の昭和55年から実生選抜や交配を繰り返し、8年かけて誕生しました。↓

P9160619 - コピー.jpg純白のホウセンカ。真っ赤な基本種と全く印象が違います。それと、最近見るホウセンカはほとんどが八重咲。ホウセンカ自体があまり栽培されなくなってきている昨今、白花の一重は特に貴重な存在かもしれません。葉や茎も色素が少ないせか、基本種より明るい色をしていますね。この白い花を利用して、色水の実験などをおこなうことが出来、かつては横浜市内の小学校で実験に利用されていました。こども植物園から出版した『教材マニュアル』の第一号は、この「シロバナホウセンカの研究」でした。(現在入手不可)

ホウセンカは、日本に生えるツリフネソウ Impatiens textorii と同じ仲間、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の植物。今日この仲間でインパチェンスとして多く栽培されるのが、アフリカ東部原産のアフリカホウセンカImpatiens wallerianaやニューギニアの高山が原産の原種を交配して誕生したニューギニア・インパチェンスです。学名のインパティエンスは「我慢できない」といった意味で、熟した果実に触れるとすぐに種子が飛び出す様子から来ています。

今年は、種子の更新もかねてたくさん播種しました。今が花盛り。事務所前に並べ展示しています。↓

P9160623 - コピー.jpg

こども植物園の大切な財産の一つである「シロバナホウセンカ」。今後とも守っていかなければなりません。また一つ、こども植物園の歴史の深さを物語るお話でした。