更新日:2017.08.20飼育員はお父さんにもお母さんにもなります。
飼育員はお父さんにもお母さんにもなります。
皆様、こんにちは!
私事ですが今年の4月まではホンシュウジカとオグロワラビー担当だったのですが、
4月からは傷病鳥獣担当になりました。
傷病鳥獣担当は、
一般の方が神奈川県内で傷付いた野生動物の哺乳類や鳥類を発見し、
野毛山動物園にお持ちになった際に保護し元気になるまでお世話をします。
治療が必要な場合は、獣医に治療してもらいます。
そして、元気になったら自然に帰すことを行っています。
傷病鳥獣担当は、
毎年の春から夏の間はお父さん・お母さんになります。
なぜならば・・・
(スズメの裸雛)
(ツバメの巣内雛)
(カルガモのヒナ)
(ムクドリの巣立ち雛)
そうです!
春から夏は鳥類の繁殖シーズンです!
巣内雛や巣立ち雛が沢山保護されます。
巣内雛も巣立ち雛も鳴いて一生懸命に大きく口を開けるので、
食性に合わせたエサを与えていきます。
成長で沢山のエサが必要になるので、
巣内雛は30分に1回、巣立ち雛は30分~1時間に1回エサを与えます。
エサをあげては掃除をして、
またエサをあげては獣医の治療のお手伝いなどなど・・・
1日通して雛にエサをあげながらの作業になります。
エサをあげながら、
「この雛のお父さん・お母さんは本当に凄いなぁ。」と思います。
自分が食べずに、まずは雛のためにエサを探して取って来てはあげて、
またエサを探しに行くと考えると代わりに頑張らなくては!と思います。
しかし、現実は一生懸命お母さんの代わりを務めても
野生に帰すことができるものもあれば、できないものもあります。
やはり、人の手が加わるより本来の「お父さん・お母さん」に
育ててもらう方が生存率が高いのだと思います。
雛を見つける機会はそう多くないと思いますが、
雛を見つけた際はすぐに保護せず周りを見渡して耳を澄ましてください。
親鳥は、人の見えない所で雛の成長を見守っています。
鳥でも最初から飛べるわけではありません。
巣立ち雛は、飛ぶ練習のために地面に居ることがあります。
ケガをしていない場合は、
野生で生きていくための大切な練習をしているのだと思って辛抱強く、
温かく見守って頂きたいと思います。
(父性と母性が溢れる齋藤(信))