野毛山動物園公式サイト

twitter facebook youtube
水草へのこだわりの写真

更新日:2015.11.15水草へのこだわり

更新日:2015.11.15

水草へのこだわり

ライオンの世話をした後で、先日孵化したヒバカリの子ヘビのための1センチ弱のミミズを捕まえていて、その世話のギャップにクラクラしている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

自分で言うのもなんですが、私はこだわりが強い方でございます。釣り具のリールを買っても、そのままでは使いません。ボールベアリングをグレードの高いものに交換したりカスタマイズをしてから使います。その昔熱帯魚の飼育を趣味にしていたころは、6畳1間のワンルームに水槽を3つほど置き、南米の水槽とアジアの水槽に分けていました。熱帯魚だけじゃないですよ。中に入れる水草も南米とアジアに分けて植えていたんです。



そんな私でありますから、4月にミヤコタナゴの担当になって少々悩むことがありました。水槽に植わっている水草がアナカリスだったんです。アナカリスが悪い水草というわけではないですよ。どんな水質でも丈夫に育つし、ボリュームがあって見栄えがいいですからね。ただ、南米原産の外来草というのがひっかかりました。関東地方に生息する天然記念物で、横浜最後の個体群の子孫である野毛山動物園のミヤコタナゴ水槽なら、横浜在来の水草を入れたいと思いました。



さっそく図鑑を見たり、横浜市環境科学研究所が刊行している横浜市内の生物調査結果などを調べると写真のヤナギモやエビモ、クロモが横浜在来の水草らしいと分かりました。そこで・・・。



その3種を導入して植えつけたところ、ヤナギモとエビモはあっという間に枯れて溶けてしまいました。水質が合わなかったようです。写真のクロモだけがどんどん殖えていきました。10本を元に伸びた草を切って別の水槽に植え、今ではほとんどの水槽でクロモが繁茂するようになりました。タナゴ舎を見に来ていただいて、昔の横浜の野池はこうだったのかなと思いをはせて頂けたらと思います。



さて、追伸です。ヘサキリクガメに引き続き、ホウシャガメも産卵しました。合計5個の卵を掘り出して、人工孵卵をしています。



そんなわけで、上段2つと下段の1つ計3つのキバラクモノスガメ、中段にヘサキとホウシャの卵。マダガスカルトータス人工孵卵そろい踏みであります。3月産卵のヘサキリクガメの卵は残念ながら全て無精卵でしたが、今度はうまくいくといいなと頻繁に検卵をしている今日この頃です。