更新日:2015.10.18モモタロウとの秘密特訓!
更新日:2015.10.18
モモタロウとの秘密特訓!
その特訓とは…10月13日に削蹄を6年ぶりに実施するための馴致でした。
野生のシマウマに比べると、運動量が少ない動物園では削蹄をすることは珍しくありません。
動物園で飼育されている動物の中には、ハズバンダリートレーニングで削蹄を実施している動物もいます。「モモタロウ」も将来、削蹄ができるようにとトレーニングを行っていますが、今回は麻酔をかけ、装蹄師さんに削蹄を行ってもらうことになりました。
担当者としては、この麻酔と削蹄を安全に行うため、「モモタロウ」の不安を少しでも取り除くことに重点を置きました。
不安を取り除くとは?
シマウマに麻酔をかける際には、麻酔が効いて倒れる際に壁や床に頭を打たないように、壁全面にマットレスを並べ、床はふかふかのワラを準備します。
こんな感じです。
さらに今回、麻酔をかける場所はキリン舎の使用していない寝室となりました。「モモタロウ」にとって、普段入ることがないキリン舎で、見慣れない部屋にいきなり閉じ込められたら、怖いですよね。
そもそも、その部屋に入ってくれないかもしれませんよね。
そこで、事前に部屋に慣れてもらい、担当者の指示のもと部屋に入れるように馴致を行いました。
9月25日、訓練開始です!
最初のステップは「キリン舎の通路に入ることができる」です。
これは、扉を開けると・・・・
呼びかけに応じ、少し警戒しながらも、すんなりと入ってきました。
エサももぐもぐ。でも、周りを確認しながら・・・もぐもぐ。
最初のステップは、難なくクリアしたので、次のステップ「何もない寝室にはいることができる」に挑戦です。
こちらも、呼びかけに応じて、なんとすんなり入ってくれました。
そして、エサをあげると、もぐもぐと食べ始めました。
ドキドキして訓練をしているのは、どうやら担当者のようです。「モモタロウ」は普段は入れなかった場所を探検できて、楽しそうにも見えました。
10日後に決戦日を控えた10月2日。
いよいよ、マットレスで覆われた部屋に入る馴致を始めました。
いや・・・これはすぐには無理だろう・・・そんな風に予想していた担当者。
その予想をあっという間に裏切ってくれた「モモタロウ」がそこにいました。
敷き藁のにおいをクンクン嗅いだあと・・・
す~っと部屋に入っていき、なんと!!!
おしっこをし始めました!!!!
これを見て思わず・・・吹き出してしまいました!
そのあとも、マットレスのにおいをかいだり、エサを食べたり・・・部屋と通路を足取り軽やかに行ったり来たり。この姿を見て、安心したのは担当者でした。
そこで、最後のステップに入りました。寝室の扉を閉める馴致です。
これまでは展示場と行き来自由な状態で馴致してきました。担当者の呼びかけに応じ、「モモタロウ」に入る意思があれば入ってきてね!でも、嫌なら出て行ってもOKだよ!というスタンスでした。
ここからは、入ってきたら、この部屋の中で待っていてね!というスタンスになります。
一度でもイヤな思いをしてしまえば、今までの馴致は無駄になるかもしれません。もう入ってきてくれないかも・・・という不安もありましたが、「モモタロウ」を信じて、挑戦です!
はい。
ここまでの「モモタロウ」の頑張りを見ていれば、予想できたでしょうか?
担当者の不安は打ち砕かれました!
「あれ?扉が閉まっているけど??」という感じで、エサをもぐもぐ。
「まだあかないの?」と担当者の顔を見ながら、エサをもぐもぐ。
そして、扉を開けると、何事もなかったように出ていきました。
翌日も変わらずにキリン舎に入ってきてくれました。
この馴致で不安を取り除いてもらったのは、どうやら担当者だったようです。
ここまでくれば、「モモタロウ」との準備完了!当日を迎えるだけです!
削蹄の当日の様子については、また報告します!
(飼育展示係 落合)