更新日:2021.05.23チンパンジーのあれこれ④ 夜間の過ごし方
チンパンジーのあれこれ④ 夜間の過ごし方
チンパンジーは昼間に活動する昼行性のため、夜間は寝ています。
野生では、夕方になると各々が木の上にベッドを作り、眠りにつきます。
(野生のチンパンジーの親子がベッドで寝ているところです。この時は昼寝をしていたようです。)
ベッドの素材は好みがあり、ベッドを作る上手さにも差があります。
ズーラシアではタマエが特に上手に作ります。
きれいに作っていますね。円形にまとめるだけではなく、しっかりと折りたたんで自分の体重で押し込んでいるので上に乗っていなくてもきれいな状態を維持できます。
(ちなみに素材は稲わらと、シラカシの枝です)
ズーラシアのチンパンジーの寝かたは様々です。ほとんどの個体がベッドの代わりとなるハンモックを使用しています。
しかし、カズヤは体が大きいためたっぷりの稲わらを床に敷いて特大のベッドを作っています。野生のチンパンジーでも地域によっては地面にベッドを作る個体が多くいる場所もあります。
タマエはこの時期、おやすみの挨拶をする時はきれいなベッドをわらで作っていますが、朝になるとハンモックに入っていることが多いです。このことからもチンパンジーは夜間、時々動いていることがわかります。きっと私たちと同じで物音で目が覚めたり、排泄をしたくなったりすると目が覚めたりするのでしょうね。
そして、ズーラシアのチンパンジーたちは親子以外は、それぞれ個室で過ごしています。
群れで生活する動物なので夜間も同居した方が良いように思えますが、個別での給餌や投薬など飼育管理と実際に夜間同居した様子などを考慮して、個室を持っています。
群れでの順位の低い個体が順位の高い個体の存在を気にする必要がなかったり、アルファオスのカズヤが群れの仕事を忘れて気を休めることができたりと、チンパンジーの精神面にも配慮した結果、今の形に落ちつきました。
以上、チンパンジーの夜間の様子でした。
3年目飼育員 脇田