更新日:2020.11.27晩秋?初冬?
晩秋?初冬?
気温的にはまだまだ秋って感じですが、植物たちはしっかり冬支度を始めています。
メタセコイアも紅葉してます。↑ 手前の竹の青さと対照的ですね。
さて、園内各所で、ツワブキがまだまだよく咲いています。こちらは野草園の群生。↓
みんな一斉に太陽に向かっています!
花壇は冬花壇へ衣替え。ボランティアのみなさまにお手伝いいただきました。
ー今日の野菊ー
イソギク、シオギク、キイシオギク
キク属イワインチン節に分類される、これら3種に共通する大きな特徴は、舌状弁がないことです。この節にはほかに、中部地方の山岳に自生する、「イワインチン」「オオイワインチン」があります。
◆
「イソギク(磯菊)Chrysanthemum pacificum 」
分布:千葉県(犬吠岬)~静岡県(御前崎)の海岸沿い、伊豆諸島
関東の海岸で目にすることができ、園芸植物としても鉢植えが出回りますので、馴染みのある方は多いでしょう。
種小名は、自生地を表す太平洋を意味しています。うん、なんか雄大!
「シオギク(潮菊)Chrysanthemum shiwogiku 」
分布:四国(徳島県~高知県の太平洋岸沿い)
種小名もそのまま「シウォギク」です!イソギクととても似ていて、見慣れないとなかなか区別が難しいです。イソギクより、頭花(とうか)の大きさが若干大きく、総苞と言われる部分の総包片の形がイソギクと違います。四国固有のキクであり、関東ではなかなか本物のシオギクを見る機会は少ないです。↓
自生地では、強烈な潮風にさらされていて、海岸の地面にへばりついて生えていることもしばしば。イソギクとは花の着き方がちょっと違いますね。イソギクと同じく葉裏は真っ白。
面白いことに、前回紹介のノジギクとは物部川を境に東と西できっちり住み分けています。
◆
「キイシオギク(紀伊潮菊)Chrysanthemum kinokuniense」
別名:キノクニシオギク(紀ノ國潮菊)
分布:紀伊半島の海岸沿い
イソギクとシオギクの分布の間である、紀伊半島の海岸沿いに生えます。実は、両種の雑種起源種であるということで、分布域がそれを物語っているといえます。何年も栽培していますが、どういうわけか、花着きが少ないです。形態も両種の中間といったところでしょうか。
ー今日のバラ・殿堂入り品種ー
「ノックアウト Knock Out 」
系統:フロリバンダ F
作出年:1988年
作出者:ラドラー(アメリカ)
2018年コペンハーゲン(デンマーク)大会で選出された、現時点でもっとも新しい殿堂入り品種です。目の覚めるようなショッキングピンクにはまさにノックアウト!!されてしまいます。でも、(黒点病に対する)耐病性が強く、病気をノックアウトするという意味で名づけられたそうです。バラ園では、「まだまだ、咲き続けますよ」と言わんばかりです。
メイアン作出のバラとして紹介されていることが多いようですが、フランスに導入して「ノックアウト」として売り出したのが、メイアンであるということです。