更新日:2021.08.31思い草
更新日:2021.08.31
思い草
道の辺の尾花が下の思ひ草 今さらさらに何をか思はむ 作者不詳
これは、万葉集の中のススキなどに寄生する植物『ナンバンギセル』を詠った歌です。(ナンバンギセル以外の説もあったようです。)現代の名前の通り、南蛮渡来の煙管(キセル)のような花ではありますが、『思い草』という風情のある名前が昔からあったのです。
さて、前置きはこのくらいにして...野草園の入り口のススキの根元に、ナンバンギセルが本日咲いていました。
こちらは、昨年種子を播いたものです。ずっと定着してくれるといいのですが。↑
ナンバンギセルはハマウツボ科の寄生植物で、相手の根に寄生します。ススキのようなイネ科植物の他にも、ミョウガのようなショウガ科、あとカヤツリグサ科の植物にも寄生するそうです(寄生される側を宿主といいます。)。葉を持ちませんので、地上に現れて人の目に触れるのは、花だけということになります。