更新日:2021.06.20海の環境を考えよう(第5回)海の公園のアマモ
更新日:2021.06.20
海の環境を考えよう(第5回)海の公園のアマモ
環境月間に合わせ今月は「海の環境を考えよう」と題し、海の公園の環境についてテーマ別にお話ししています。第5回目の今回のテーマはアマモです。
皆さんはアマモをご存知ですか。海の公園の海底でも見ることのできる「かいそう」です。かいそうには海藻と海草の2種類があります。ワカメやコンブなど食用としているのはほとんどが海藻で、藻類の仲間です。一方海草は海中で生育する種子植物で、根・茎・葉を区別できるのが特徴です。アマモも花を咲かせ種を付けて増える海草です。
これらは海の公園の海底で生息するアマモです。海の公園にはこのようにアマモが群生するアマモ場があります。
潮が引いた時の水面から見た海の公園のアマモです。
海の公園を上空から見た写真、濃い部分がアマモ場です。
アマモ場は「海の生き物のゆりかご」と呼ばれます。アマモによって水の流れが穏やかになり生き物の隠れ場所にもなります。魚や貝、エビ、カニなどが卵を産み育て、これをねらう魚なども集まり多様な生物の棲み処(すみか)になっています。
また、アマモは海域の二酸化炭素(CO2)を吸収・蓄積します。こうして吸収削減されるCO2を陸地の緑と対比してブルーカーボンと呼びます。
海の公園では、生物多様性や地球温暖化防止に貢献するアマモ場を未来に残し広げていくための市民活動も展開されています。
海水浴や潮干狩りでは、ちょっと邪魔に思われるアマモですが、とても大切な役割を果たしてくれているということ、ご理解いただければ。
次回はアオサについてお話しします。