更新日:2023.11.25コハル1歳になりました!
コハル1歳になりました!
本日コハルが、無事1歳の誕生日を迎えました!
という事で今回は、コハルの1年間の成長を振り返ってみたいと思います☆
2022年11月25日午前3時過ぎ、コハルは誕生しました。
朝担当者が類人猿舎へ様子を見に行くと、
本来ならお母さんに抱かれているはずの赤ちゃんが床に寝かされています。
「育児放棄か!?」と一瞬嫌な予感が頭をよぎったのですが、
コハルが泣き声をあげるとミラクル母さんがすぐに抱き上げ、授乳も確認できました。
その後も時折、寝室ではコハルを床に寝かせる行動が見られましたが、
来園者が見ている運動場では決してコハルを胸元から離さなかったため、
どうやら今回で3回目の育児となるベテランママ流の、
少し手を抜いた?子育て法だったようです。
ちなみにコハルも、そのうち床に寝かせられることにすっかり慣れてしまい、
泣声をあげずに天井をキョロキョロ見回す余裕を見せ、
将来大物に成長しそうな予感です(笑)。
(上の写真は、床に寝かせられている生後2ヶ月目のコハルと、兄のコウタロウ)
こちらは生後5日目のコハルです。
自分もチンパンジーの赤ちゃんと接するのは初めての経験だったのですが、
特に驚いたことは、「とにかく静かで、とにかくよく眠る」、ということです。
大人のチンパンジーは「ギャーギャー」と常に騒がしいイメージがありますが、
チンパンジーの赤ちゃんはとても静かで、前述の床に寝かせられた時を除いて、
コハルは泣き声をほぼ発しませんでした。
また、お母さんの乳を飲んでいるとき以外は、とにかく眠り続けています。
たまに全身ダラ~ンと脱力して微動だにしないこともあり、
ちゃんと呼吸をしているか心配になったほどです(笑)。
さて、そんなコハルの成長に目立った変化が表れ始めたのは、
生後3ヶ月を過ぎた辺りからです。
まず乳歯が生え始めて、お母さんの食べているイモやニンジンをぺろぺろなめ始めました。
続いて、初めてつかまり立ちをしたと思ったら、
すぐにフェンスに自力でしがみつく事が出来るようになりました。
さらに生後4ヶ月目になると、フェンスにしがみつくだけでなく、
フェンスの昇り降りも出来るようになりました。
そして生後5ヶ月目には、大人と同じ食事を食べられるようになり、
生後6ヶ月を過ぎると、これまでミラクル母さんにべったりだったのが、
お母さんから離れてコウタロウ兄ちゃんと遊ぶ時間が増え、
生後7ヶ月頃には、樹上性霊長類の特徴であるブラキエーション(腕渡り)も上達して、
運動場を縦横無尽に動き回れるようになりました。
その後も、最年長ピーコさんやコブヘイ父さんと関わる時間が増加したり、
チンパンジーやゴリラ特有のナックルウォークによる歩行も上達したりと、
順調に成長していきました。
この一年を振り返ってみると、あっという間だったようにも、長かったようにも、感じます。
というのも、チンパンジーの赤ちゃんはヒトの赤ちゃんと同じで成長がゆっくりなため、
初めの数か月は、「乳の量はちゃんと足りているかな?」「病気にかからないかな?」
「無事大きくなってくれるかな?」など様々な心配事がありました。
またお母さんから離れて動き始めるようになると、
「事故や怪我がありませんよに・・・」と、これまた心配事が付きまとい、
「無事に早く大きくなってほしい」と、常に願っていた一年だったように思います。
しかしそんな心配をよそに、子育て上手なミラクル母さん、面倒見の良いコウタロウ兄ちゃん、
優しいコブヘイ父さんとピーコさんの愛情を一身に受けてすくすく成長し、
無事1歳の誕生日を迎えることができました。
これからコハルはどのようなチンパンジーに成長していくのでしょうか?
引き続き、皆さんと一緒にコハルの成長を見守っていけたら、とても嬉しいです。
今後ともコハルと野毛山動物園のチンパンジー達を、どうぞよろしくお願いします!
(チンパンジー係4年生 伊原)