更新日:2021.12.09ピーコさん、来園55周年を迎えました
ピーコさん、来園55周年を迎えました
1966年12月8日、アフリカから野毛山動物園へ、推定1歳でやって来たピーコさん。
本日2021年12月8日、無事来園55周年を迎える事ができました。
来園55周年に向けて野毛山動物園公式ツイッターでは、「まいしゅうピーコさん」を連載し、ピーコさんの歴史や日常を紹介してきました。
その中でも何度か触れましたが、ピーコさんが来園した昭和40年代頃の日本の動物園の社会的役割は、「娯楽の場」という色合いがまだまだ強く、ピーコさんも小さい頃は「交通安全パレード」や「野毛の吊り橋完成式」に参加するなど、多くの来園者や市民を楽しませてくれていました。
このような事に関してツイッター上では、「親と引き離されて動物園に連れて来られ、さらに見世物になってピーコさんが可哀想」といったご意見も頂きました。
こういった厳しいご意見・ご批判はある程度予想されたため、自分自身も広く皆様にお伝えすべきか悩んだのですが、真実を隠すという事はピーコさんの人生そのものを隠してしまう事に繋がると考え、あえてありのままの真実を投稿させて頂きました。
そして時代は流れ、動物園の社会的役割として「種の保存」が大きなウェートを占めるようになり、現αオスのコブヘイやメスのミラクルがブリーディングローン(希少動物の繁殖を目的に動物園間で行う動物の貸し借り)で来園。
2頭の間には次々と子供が生まれ、小さい群れではありますが、現在ピーコさんは仲間達に囲まれて賑やかな毎日を送っています。
さて、ピーコさんの野毛山動物園での生活は、これからもまだまだ続いていきます。
野毛山動物園だけでなく、日本の動物園の歴史そのものを見つめてきたピーコさん。
今自分たちにできる事は、55年間に及ぶ彼女の動物園生活の重みを常に忘れることなく、ピーコさんという「一人」のチンパンジーの「命」・「心」と、毎日真摯に向き合って行く事だと考えています。
ピーコさん、野毛山動物園での55年間本当にありがとう。
そしてこれからも、元気に長生きしてね。
(チンパンジー係2年生 伊原)