更新日:2024.02.07Happy Birthday 12歳 キリンのそら
Happy Birthday 12歳 キリンのそら
2月7日で12歳の誕生日を迎えたキリンの「そら」。
こんなに立派になりました!大人の渋さも出てきましたでしょうか?
さて、誕生日なので改めて「そら」の生まれた時のお話を紹介していきますね。
「そら」のお母さん「マリン」は、もともとお乳が出なかったので、兄弟たちは人工哺育で育ってきました。
「そら」は7頭目の末っ子ですので、兄弟で培った人工哺育の経験を携えた先輩方がその誕生を
今か今かと待っていました。
しかしながら、人工哺育になると決まっていても、生まれた瞬間からは時間との勝負となります。
なぜなら、赤ちゃんはまず抗体がたっぷり含まれる初乳を飲む必要があるからです。
ただ、この吸収率は時間の経過に伴って下がってしまうため、生まれた瞬間からカウントダウンが始まりますが...
さらに人工哺育の場合、初乳を飲む前に最初の、そして...大きなハードルが立ちはだかります...
それは哺乳瓶に吸い付かせることです。
もしも、哺乳瓶を受け入れてくれない場合は、強制哺乳も視野に入れなければなりません。
誕生の喜びもつかの間...短時間でいろいろな決断が必要になってきます。
しかし、そんな事情を知らずに生まれてきた「そら」ですが...
すんなりと哺乳瓶を受け入れてくれたそうです(今思うと...「そら」らしいですね)。
しかし、「そら」にはもう一つ試練が待ち受けていました。
キリンの赤ちゃんは1時間程度で立ち上がるのですが、「そら」はそれができませんでした。
後肢が横に開いてしまい、体を支えられずに転倒を繰り返す状態だったそうです。
後肢のリハビリ中の「そら」。
そのため、「そら」は人工哺育と後肢のリハビリという2つの試練を乗り越える必要がありました。
展示場で出られるようになった幼き頃の「そら」と父「テビチ」。
試練を乗り越えることができたかは...大人になった「そら」を見ていただければ!!
幼き「そら」の写真にも同じケヤキの木が写っています。本当に大きくなりましたね(涙)!!
(現担当者は「そら」の誕生を広報普及という立場で迎えました。
記者発表資料を作りながら、無事に育ってほしい...と願っていたことを覚えています。
まさか・・・数年後に担当になるとは全く想像もしていませんでしたが(汗))
ケヤキの何かが気になる幼き「そら」。(小さな時から好奇心と探求心は強かったようですね)
動物園で暮らす動物たちにもたくさんのストーリーがあります。
その全てにたくさんの動物や人が関わり、たくさんの想いが詰まっていて、どれも輝かしく愛おしいです。
「そら」とも毎日を積み重ねて、何度も何度も顔を見合わせてきましたが、それでも毎日のように思います。
生まれてきてくれて、本当にありがとう。今日も元気でいてくれることが本当に嬉しいと。
この命を明日につなぐために、今日できることを動物たちのためにしたいと。
ということで、その一環のひとつとして、
「そら」とコツコツと取り組んできたハズバンダリートレーニングについてもご報告します。
野毛山では動物たちの協力のもと、健康管理を目的としたハズバンダリートレーニングを実施しています。
「そら」も年齢を重ね、特別なケアや治療が必要になることも出てくることを想定し、
近年では投薬ができるように注射のトレーニングやレントゲン撮影のトレーニングをメニューに追加してます。
先月、現在は特に異常は見られませんが、健康時の脚の状態を撮影しました。
これは「そら」の右前腕を側面から撮影したものです。
平穏な時は準備の時と思い、緊急時に早急な対処ができるようにすることが目標です。
これは「そら」と一緒に暮らしてきたグレビーシマウマの「モモタロウ」を亡くした時に
決めた誓いでもあります。
レントゲン撮影もまだまだ撮影しなければならない箇所があるので、コツコツと頑張っていきます。
それでは、最後に。
「そら」が12歳を迎えましたが、この先もずっと「そら」が元気に過ごしていけるように、
これからもご支援をよろしくお願いいたします。
また、「そら」に出会っていただき、本当にありがとうございます。
12歳の「そら」に会いに来てください。何度も何度でも会いに来てください!
(「そら」の12年間はまだまだ語りつくせない 落合)