更新日:2024.02.01ピーコさん、本当にありがとう
ピーコさん、本当にありがとう
すでに野毛山動物園公式ホームページでお知らせしたとおり、
チンパンジーのピーコさんが老衰のため死亡しました。
推定58歳でした。
1月19日から、かろうじて口にしていた品目も一切口にしなくなり、呼吸が大きく荒くなったピーコさん。
しかし1月23日には苦しそうな呼吸も落ち着き、1日をほぼ眠って過ごすようになりました。
そして1月24日の朝ピーコさんに会いに行くと、前日の夜におやすみを言った時とほぼ変わらない体勢で、
眠るように亡くなっていました。
(上の写真は1月23日の朝撮影したものです。)
昨年一年間で、食べる量や食べる品目が徐々に減少し、体も細くなってきていたのですが、
「高齢だし、このようなものかなぁ」と、自分の中に油断があったことは否めません。
すり減ったり抜け落ちている歯も多かったのですが、採食には問題なかったので、
もっと早くから食べる品目・好きな品目をたくさんあげていればよかったと思っています。
また動作も年相応で、体調が悪化するまでは大きな変化を感じなかったのですが、
解剖の結果、心臓や腎臓等がかなり悪くなっていたことが判明しました。
もしかしたらもっと前から本人は辛かったのかもしれませんが、
恥ずかしながらそのような状態になっていたことに気づいてあげることは出来ず、
配慮に欠けている部分が多々ありました。
ピーコさんを応援してくださった皆様、歴代担当飼育員として関わってこられた諸先輩方、
そして何よりピーコさん、もっと元気に健康に長生きさせてあげることが出来ずに、
本当に申し訳ありません。
先日ピーコさんが亡くなった旨の記者発表を行ったところ、たくさんの方々からメッセージを頂き、
改めてピーコさんが多くの方から愛されていたことを実感しました。
これまでピーコさんを愛して頂いた全ての皆様に、この場をお借りして深くお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
ピーコさんは賢さ・恐さ・楽しさ・優しさ、そのすべてを併せ持ったチンパンジーであり、
そのすべてを私に教えてくれたチンパンジーでした。
ピーコさん、野毛山動物園での57年と47日、本当にありがとう。
あなたに出会えてよかったです。
これからはどうかゆっくり休んでね。
(チンパンジー係4年生 伊原)