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更新日:2020.10.19目力コンテスト 結果発表

更新日:2020.10.19

目力コンテスト 結果発表

数多くの乱入種がいましたが、無事に目力コンテストは終了となります。

長文になりますが最後までお付き合い頂ければ幸いです。

爬虫類が苦手な方にとっては、困った催しだったと思いましたが、格別のご配慮いただきまして有難うございます。

そして、こんな突飛なことに最後まで付き合ってくれた当園の広報係も有難うございます。

僕の一存じゃなにもできませんが、僕の分も含めて給料上がるように園長にお願いしてみます。

エントリーした動物は総勢46種、爬虫類35種、出禁8種、破門3種となります。

「いいね」の総数は15258票でした(10/13 1700時点)。

みなさま長期に渡りご協力ご参加有難うございました。

さて、結果発表

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1位ミナミコアリクイ753

爬虫類じゃないし・・・

猛獣類、小獣類を担当している大先輩が爬虫類とアリクイ類を飼育するのは似ているとおっしゃっていました。「大丈夫?ぼけちゃった?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、僕も少なからず爬虫類とアリクイ類を飼育するのは通ずるところがあると思っていますので、僕がボケていないのなら大先輩もきっとボケていないものだと思います。

けれどやっぱ爬虫類じゃないので、コアリクイは出禁です。

爬虫類だけで見ると・・・

「いいね」の総数10290

この数字が多いのか少ないのかわかりません。

爬虫類での一位は・・・

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1位ヒョウモントカゲモドキ 602

ヒョウモントカゲモドキが見事1位となりました。

1位になっても特別なことが起こるわけではありませんが、次回のブログでヒョウモントカゲモドキについて紹介したいと思います(さて、なに書こうかしら)。

今回の催しを通し、バックヤードで飼育する種も数多くご紹介できました。

なんで非展示なのだろうと思われた方も多かったのではないでしょうか。

本当は展示したい個体、種も多いのですが、それが現状ではできません。

もともと当園で飼育する予定ではない個体や種を数多く飼育しているからです。

爬虫類を僕の趣味で飼育しているわけではありませんので、いたずらに飼育種をふやすようなことはしません。

それでも飼育種、点数は増えていきます。

それは、繁殖しているのはもちろんのこと拾得個体や違法飼育個体の受け入れなど、やむを得ない理由で動物園に入園しているからです。

本来はすべての個体を受け入れてあげたいところですが、限られた人員、予算、設備の中では限界があります。受け入れても飼育環境が好適でないところもあります。

それでも、行き場のなくなった爬虫類は可能な限り受け入れをしています。

当園は横浜港が近いことから、昔から積荷に紛れた動物や差し押さえられた動物たちがよく来園していたそうです。

現在、展示している個体の何倍もの数の点数を爬虫類館では飼育していますが、引き受ける際に衰弱が激しくそのまま死亡してまったり、好適な飼育環境を提供できずに死亡してしまった個体も数多くいたと聞いています。保護され飼育環境に適応したとしても外部から見てわかる損傷を負った個体も多くいます。

野毛山動物園の爬虫類館は多くの犠牲の上に存在しています。

保護した個体は自園の展示予定が無い中で保護を受けていますので、他の園館で展示計画があるならば積極的に搬出しています。

見方によっては都合のいい解釈をされるかもしれません。

労せず動物が手に入ってよかったねと言われることもあります。

動物にとっても人にとってもいいことなんて、なにもありません。

これは、当園に限ったこと、または爬虫類だけの問題ではないかと思います。

全国の動物園、水族館には園路から見えないところにやむを得ない理由で飼育している動物が少なからずいるかと思います。

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甲羅が潰れているため、水平に休息することができないバタグールガメ

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劣悪な環境で輸送されたためか、保護後その多くが密輸時の負荷が原因で死亡したと思われるインドセタカガメ

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冬季に保護されたため、凍傷により四肢の先端やや尾端が欠損したアオジタトカゲ

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不適切な飼育環境で飼育されていたのか保護時から成長障害が見られているヘサキリクガメ

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園内に遺棄されていたワニガメ

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日本の天然記念物で沖縄北部、久米島、渡嘉敷島にしか生息していないはずなのになぜか本州で保護されるリュウキュウヤマガメ

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人間の都合で海外から持ち込まれ、遺棄され生態系を脅かすとの理由で駆除対象になったカミツキガメ

保護を依頼されても現状の設備では飼育できないためお断りさせていただいていることも多々あります。

当園で他の動物たちの繁殖計画もありますので、お断りしていることも多々あります。

保護を断った個体はどこにいくのでしょうか、

なにを優先させるのか、なにが自分の仕事なのか分からなくなる時もあります。

それでも保護の問い合わせは後を絶つことはありません。

僕が、ハイスペック飼育係なら、すべてをこなせるのかもしれませんが、所詮汎用な飼育係にしか過ぎません。

すべてをこなすことは到底不可能です。

そして、この保護の問い合わせの中にはコンパニオンアニマルの数は含まれていません。

園で依頼される保護の数より圧倒的にこちらの保護の件数のほうが多いはずです。

アニマルライツ、アニマルウェルフェア、動物愛護管理法、鳥獣保護法など様々な考えかたや主張、法律があります。

個人的な見解にはなりますが、愛玩動物をどのように飼育し、どの様に看取るのか、それは飼い主の自由ですし自己責任かと思います。

ただ、その裏には飼い主の都合で行き場所を失った動物たち、違法に飼育されている動物たちがいることを認識していただければ、今回の催しを実施した意味があるのかなと思います。

長くなり、勝手なことばかり書きましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

飼育展示係 大滝