更新日:2024.07.14ラージャーとの1年3か月
ラージャーとの1年3か月
皆さまこんにちは。そして、はじめましての方は、はじめまして。
昨年の4月から1年と3か月間、担当者が不在の日に、担当者に代わってラージャーのお世話をしていた者です。
皆さまもご存知の通り、ラージャーは6月30日に旅立ってしまいました。
SNSなどを通じてたくさんの暖かいメッセージをありがとうございました。
悲しい気持ちは動物園のスタッフも皆同じです。
今回は、これまでラージャーと過ごした日々について振り返り、お蔵出し写真と共に皆さまにお伝えしていければと思います。
まずこちらが、私が作業に入り始めて間もない頃のラージャー。
撮影日は2023年4月18日です。
私自身ライオンのお世話をすることが初めてというのもあり、最初は少し緊張していたのですが、流石のラージャー。余裕のある様子で静かに迎えてくれました。
一枚目の撮影の後、ラージャーはすのこの上でごろんと横になり、足を舐めて綺麗にしていました。こうして見ると、ライオンはやっぱり大きなネコですね。
こちらは2023年5月のラージャー。
朝、寝室でゆったりしていたところをドアップで撮影させてもらいました。
ラージャーは人間の動きをよく追うので、ご覧の通り完璧な真正面顔が撮れました。
こちらは2023年の8月。
横顔がとっても凛々しいですね。
夏の間、ラージャーはよく扇風機の風に当たって涼んでいました。
ライオンは小さな動物と違い、同じ空間に入って至近距離から観察することができないので、ついついドアップで撮影してしまうようです...。
そしてこちらが、2023年11月。落ち葉の上でお腹を見せるラージャーです。
残念ながら上手く顔を撮ることができなかったのですが、この体勢だけでもラージャーの魅力がひしひしと伝わってきます。(顔の代わりに肉球がバッチリ写りました!)
このラージャーの頭側すぐ近くに間仕切りがあり、これを操作しようとすると必ずといっていいほどこの姿を見せてくれていました。
当時の担当者に理由を聞いたところ、甘えているんじゃないかということでした。
続いてこちらのラージャー。
この特徴的な表情は...?
実はこれはフレーメン反応といって、何かの臭いに反応したときに出る表情です。
怒っているように見えるかもしれませんが、怒っているわけではありません。
この写真のラージャーの足元に、茶色い麻袋が少し写っているのが見えますでしょうか?
実はこの中にシマウマが使っていた干し草が入っており、それに付着したシマウマの臭いに反応していたんです。
普段は見ることのできない表情なので、この時見られて良かったなと感じています。
そしてこちらの写真は2024年6月に撮影しました。
トウネズミモチの葉っぱをかじって遊んでいた時です。
担当者のブログにもありましたが、ラージャーはこの葉っぱが大好きでした。
このトウネズミモチで遊んだ日の翌朝、ラージャーは珍しく屋外展示場の台の上に居ました。あまり体調の優れない日が続いていたラージャーですが、この日はいつもより調子が良かったようです。
ガイドの時などにラージャーはよくここに登っており、後ろ向きでゆっくりと降りていく動きが印象的でした。
そして6月30日、ラージャーは旅立ちました。
その日の夕方、私が入園口付近を通りかかった時、なんと空に虹がかかっていました。
「虹の橋を渡る」なんて言葉がありますが、本当に当日に虹がかかっているのを見たのは初めてのことで、少し感動してしまいました。
ラージャーは本当に多くの人から愛されたライオンでした。
これまで応援してくださった皆さま、ありがとうございました。
これからもどうぞ野毛山動物園をよろしくお願いします。
【しも】