更新日:2020.10.25実りの秋
実りの秋
サツマイモのおいしい季節になりました。
動物園の動物は餌にサツマイモを入れているものが少なからずいます。どんな動物がサツマイモを食べているのか......?
動物園でどの動物がどんな餌を主に食べているのか、横浜市動物園年報という資料に書いてあります。サツマイモは「甘藷(かんしょ)」で「蒸」は蒸したものを、「生」はそのままで食べています。こんな資料を見て動物園を見るとみなさんの中でちょっとした発見もあったりするかもしれません。
ちなみにサツマイモは比較的容易にエネルギー源となる炭水化物を多く含むため、カロリー調整に使いやすい食べ物と言えます。甘くておいしいのでいろいろな動物がサツマイモ好きです。食物繊維も多いので、ヒトでも何かと勧められる食べ物ですね。
さて、動物病院では現在飼育しているホンドタヌキの小間に使った人工芝のマットが外にちょっと置かれていました。
そこにやってきてせわしなく動いている虫がいます。
ミツバチです。花の蜜を集めたり花粉を集めたりするミツバチですが、タヌキが使っていたこの人工芝にどんな用があるのでしょう?
ミツバチが何やら熱心につついているものがあります。人工芝に点々と転がっている小さなもの......。
サツマイモのかけらです。タヌキが蒸したサツマイモを食べた時に散った小さなかけらです。蒸したり焼いたりするとホクホクとした食感になるサツマイモは食べる時にポロポロと細かいかけらが落ちてしまいがちですね。
▲夢中な様子で次々とサツマイモのかけらをくわえます。
▲こんな体勢になりながらも......。
ミツバチは花粉と花の蜜を合わせてだんごのようにして巣に運び、貯蔵します。甘くて顆粒をだんごにしたような蒸したサツマイモは花粉と蜜のだんごに似ているのかもしれません。
実りの秋はミツバチもたくさんの蜜などを巣に貯めて、働きバチの数もたくさんになっています。基本的におとなしいミツバチは蜜を集めているときなど近くでじっくり観察しても攻撃をしてきませんが、秋はスズメバチやクマが巣を襲いに来る季節でもあるので、巣の近くのミツバチは多少気が立っています。間違ってぶつかったはずみにあわてて針を刺してしまったりすることもあるので、驚かせないように注意しましょう。
近年数が減っていると言われるミツバチ。特にもともとこの地域に住んでいるニホンミツバチが減ってしまわないように見守っていきたいものです。
▲園内某所のニホンミツバチの巣
[桐]