更新日:2024.10.16運よく、首尾よく、夏らしく
運よく、首尾よく、夏らしく
前回の続きを書きます
予告通りタヌキ全6頭の合流のお話です。
前回遅れてきた4頭についてはミルクをあげました程度まで書きました。
詳細はこちら。
(川の字で寝る4頭)
タヌキの4頭は同腹兄妹でオス2頭メス2頭。
目が開くか開かないかくらいのタイミングで保護されました。
みな真っ黒なためしばらくは見分けがつきません。
そこで、マジックペンで頭に色を付けて見分けることに。
以降、彼らはそのまま黄色、緑、赤、白と呼ばれることになります。
(ちなみにアライグマは生まれた時点で白い模様が出ています。タヌキとの見分けポイントです。)
千手観音の如き手さばき、は無理なので獣医に手伝っていただきつつ、着実に離乳食に移行。
しかし4頭で生活していたケージは瞬く間に手狭に。
(小型犬用のケージで哺育していました)
えいやと外に面したリハビリケージに移動しました。
離乳食は食べつつもミルクもまだ飲むのでお皿に出しますが、全身で飛び込んだりひっくり返したり他の仔を踏んづけたりと、離乳食とミルクにうんちまみれになった4頭を菩薩のような面持ちで何度も洗いました。
1頭だけだったAとBとは違った苦労に忙しくも幸せであり、彼らの世話をする日々は瞬く間に過ぎていくのでした。
(リハビリケージで縦横無尽の4頭)
そういえばこの4頭もリハビリケージに出したタイミングからため糞を始めました。
何がきっかけになっているのでしょうか...、広さは関係ありそうですが不思議です...。
その後も順調に成長し離乳食も卒業したころ、いよいよ先輩2頭と合流しようという話に。
が、ここで不安要素が顔をのぞかせました。
AとBの合流時同様、何度かの顔合わせを行いますが、Aがかなり敵対し幼い4頭(Aもまだまだ幼いですが)を攻撃します。
近づく仔すべてに威嚇し吠え、噛みつく始末。
外側から見守っていましたが何度か仲裁に入る羽目になりました。
猛獣であれば同居の計画を見直し、個体の安全を優先して見送りという選択肢も出てくるような話です。
しかし合流を渋っていては野生復帰が遠のいてしまいます。
面積を確保すればきっと大丈夫と意を決して広い場所へ!
(広い放飼場に放された6頭)
何度かAが呻る場面はありましたが、思っていたよりははるかにあっさりと、その日のうちに上手に合流してしまいました。
これも逃げ隠れしやすい場所があるなど、広さが関係しているのでしょうか。
適正な飼育面積の考察もできそうです。
ここまでくればもう安心。
全頭普通食になり、要求に合わせて餌を増やしていくだけです。
非公開エリアでの飼育ですが、夏真っ盛りの野外ですから気温も高く、日除け、扇風機、ミストホースの設置など暑さ対策マシマシで飼育しました。
おかげで放飼場は外気温より2度ほど低くなり、ひなたぼっこする個体も。
(暑くないの...?)
と、6頭合流の話はこんなとこ...ろ...?
次回はあの仔のお話です。
傷病鳥獣担当