更新日:2020.11.06フラミンゴの繁殖事情
フラミンゴの繁殖事情
秋も深まり、園内の木々も落葉したり紅葉しているものが増えてきました。園内某所ではカキが熟して食べ頃になっています。中には食べられた跡が残っているものもあり、野鳥やタヌキなど園内に棲んでいる野生動物たちにとって旬のごちそうになっているようです。
(園内で実っているカキ)
さて、5月にブログでご紹介しましたが、今年はチリーフラミンゴの繁殖を目指して環境整備をしていました(詳細はこちら)。しかし、ディスプレイ行動や巣を気にする様子は見られたものの、残念ながら夏の繁殖期に産卵はしませんでした。
ただ、まだ諦めるのは早いです。というのも、野毛山動物園では過去に秋に繁殖した個体がおり、初めて繁殖に成功したのも11月だからです。
野毛山動物園では昭和40年にフラミンゴの飼育を開始しており、当初から繁殖に取り組んでいました。しかし野良猫や野犬などから守るために夜間収容していたことから巣作りや産卵ができず、昭和51年まで繁殖に至りませんでした。そこで昭和51年5月から外敵対策を施した上で夜間も放飼するようにしたところ産卵が見られるようになり、昭和53年11月14日に念願の繁殖に成功しました。その時に孵化した個体が現在も飼育している「№48♀」です。
(チリーフラミンゴ「№48♀」)
「№48♀」は今年で42歳になりますが、高齢となった今でもペアの「№63♂」と一緒に元気に過ごしています。今年はペアで営巣場所に頻繁に出入りしているので繁殖意欲は高いようで、最近も日中は巣の近くにいる姿をよく見かけます。高齢個体のため実際に産卵する可能性は低いと思いますが、そっと見守りたいと思います。
秋生まれの「№48♀」以外にも営巣場所に出入りしている個体が複数いるので、なんとか産卵してくれるように期待したいです。
(一緒に餌を食べる「№48♀」:右と「№63♂」:左)
(飼育展示係 岡﨑)