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更新日:2021.09.05痛いの、痛いの、とんでいけ~

更新日:2021.09.05

痛いの、痛いの、とんでいけ~

今年の夏も例年以上に暑かった。環境の変化とともに年々過ごしにくくなる日本の夏。変化の波は気候変動だけではなく、自分たちの身の回りのことでも変化を求められる時代。動物に関係する法律も時代とともに変わっていく。

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野毛山で暮らすツキノワグマたちは、今年で来園20周年を迎えました。20年前にはなかった法律で、今になって困った事案が生じました。それは、特定動物へのマイクロチップ埋込義務です。本来、産まれてからある程度成長したところで埋め込むはずなのですが、野毛山の2頭は未装着のまま来園し、今に至るのです。

動物園だから例外ということはなく、国内法を遵守しなければなりません。恒例となったクマたちを全身麻酔して埋め込むのは大きなリスクを伴うので、何とかできないものでしょうか?

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ここは、ツキノワグマの寝室(バックヤード)です。

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フェンス中央のところに小扉があります。

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【竹もっとエンリッチメント】でおなじみの竹をここにかませます。普段、竹を使ったエンリッチメントで竹と遊んでいるサンペイとコマチにとっては、ごくごく普通の遊び道具として思ってもらえるでしょう。

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小扉から腕を出して、その竹に抱き着きます。

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この行動は、クマたちが今身に着けたものではなく、歴代のクマ担当者がトレーニングを続けてくれていた賜物であって、自分の後輩も含む歴代の担当者たちに感謝してもしきれません。

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そんな努力を継続していたおかげで、現在、マイクロチップを埋め込む練習の真っ最中です。脱毛しているところに部分麻酔をしてから皮下注射して埋め込みます。サンペイへの埋込は完了していますので、今度はメスのコマチの番です。

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さあ、クマともども獣医さんも一緒に頑張ろう。秋の味覚が手に入ったので、厳しい残暑も乗り切ろうね。

(飼育展示係 川崎立太)