更新日:2021.11.03眼球の模型を作ってみました
更新日:2021.11.03
眼球の模型を作ってみました
今年度、野毛山動物園で3Ⅾプリンターを導入したので、コンピューターに精通しているM獣医に依頼して動物の眼球模型を作ってもらいました。
左から直径2.4㎝、4㎝、5㎝です。
2.4㎝のものはヒト、4㎝のものはゾウ・キリン・ウシになります。
5㎝のものは陸上動物で最大の眼球になりますが、どの動物だと思いますか?
答えはダチョウとウマです。体積で比較するとヒトの約8倍になります。
実際にダチョウの頭を見る限りそんなに大きな眼球が収まっているように思われないかもしれませんが、頭骨の標本で確認してみることにしましょう。
眼球の収まるスペースが大きく空いていて両眼を隔てる骨は透けるほど薄く、頭骨の大部分を眼球が占めているのがわかります。
次にキリンの頭骨を見てみましょう。
眼球の模型を当ててみると、
眼が収まる部分は眼球よりずっと大きいのがわかると思います。
なぜこんなに余裕があるかわかりますか?
実は哺乳類の眼は大きく動かさなくても視野を確保できるように眼球を動かすための筋肉が覆っているので、眼球本体はそれほど大きくありません。
基本的に7個の頸椎しかない哺乳類は大きく首を回すことができないので、眼球を動かすことで視野を確保しています。
それに対して鳥類は13~26個の頸椎を持っていて頭を大きく動かすことができるので、眼球を動かす筋肉はほとんど発達していません・
そのため、鳥類は頭骨のスペースいっぱいに大きな眼球が収まっています。。
ヒトの場合はコンタクトレンズがずれても目の後ろまで動くことはありませんが、鳥類のような眼だとかなり奥まで入り込んでしまいそうですね。
(飼育展示係 藤岡)