更新日:2022.01.20はてなボックスの使い道
はてなボックスの使い道
荷物などが入っていた段ボール箱、みなさんはどうしていますか?
廃棄してしまうのが大半だと思いますが、
野毛山動物園の動物病院では、この箱にちょっとしたアレンジを加えて診療で重宝しています。
ではこのはてなボックス、いったい何のために、どんな動物に使っているのでしょうか?!
まずアレンジ方法をご紹介したいと思います。
段ボール箱の縁を補強し、くりぬいて小窓を作ります。
そして別の段ボールで蓋を作り、中が見えるようにこちらもくり抜いてアクリル板を張ります。
中にペットシーツを敷いたら...
あ~ら簡単!!!完成です!!!
ちょっとかわいくなるように、小窓のそばにこっそりイラストも描いてみました。
(ここから何の動物用の箱なのかわかってくれたら嬉しいです...)
はい、というわけで正解は...
モルモットの麻酔覚醒室です!(通称モルボックス)
このモルボックスの中に酸素チューブを通して術後十分に酸素化できるようにし、覚醒を待ちます。
麻酔後は体温が下がり寒いので、保温性に優れた段ボール箱がぴったりです。
野毛山動物園ではモルモットが多く飼育されているため、診療数も多くなります。
去勢や腫瘤、歯牙疾患などの処置で麻酔をかける機会も多いため、こちらのモルボックスが大変重宝されます!
このくり抜いた小窓は、このように酸素のチューブを通すためのものでした。
今回は、ちょうど入院していた万騎が原ちびっこ動物園のモルモット、あられちゃんに協力してもらい、ブログ用に再現してもらいました。
キュートなあられちゃんです。個人的にこういったむちむちモルモットが好みです。
術後は、このようにして箱に入ってもらい覚醒まで安静にします。
蓋をしていても、ちゃんと上から中が見えるようになっています。蓋をすることで落下事故防止にもなります。
このように、普段捨てられてしまう段ボールも動物病院では工夫して使用しています。
さらにはモルモットでも個体によって大きさが異なるため、靴の空き箱などで一回り小さいモルボックスも作っています。
最近では、空き箱を見るとモルモットを入れるのにいいなあ...なんてつい考えてしまいます。
以上、モルモットにも環境にもやさしいモルボックスのご紹介でした!
飼育展示係 真砂