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野毛山レッサーパンダヒストリー①~昭和編~の写真

更新日:2022.03.14野毛山レッサーパンダヒストリー①~昭和編~

更新日:2022.03.14

野毛山レッサーパンダヒストリー①~昭和編~

みなさんこんにちは。
4月から野毛山のレッサーパンダ担当になり、1年が経とうとしています。
今年度は夏に展示場改修という大イベントがあり、私も話し合いに参加したり、工事の様子を間近で見られたり、面白い経験ができました。
現在の展示場とイチゴ.jpg

同じころ、クラウドファンディングのお礼動画作成の手伝いで、倉庫にある大量の昔の写真から、今まで全く知らなかった野毛山のレッサーパンダの歴史を掘り起こす機会もありました。その作業をきっかけに "野毛山レッサーパンダ年表"を作り、11月の展示場リニューアルオープンに際して行ったパネル展の中で来園者の皆様にご覧頂きました。
レッサーパンダパネル展①.jpg
レッサーパンダパネル展②.jpgパネル展の様子。年表は上の写真、一番左。

 

コロナ禍ということもあり、来園を控えられた方もいらっしゃったと思いますので、せっかく野毛山動物園70周年記念年だった令和3年度の終わりに、もう一度このブログで野毛山のレッサーパンダの歴史をご紹介したいと思います。スペースの都合上パネル展には入れられなかった写真もあります!

 

 

野毛山動物園は1951年(昭和26年)に開園しました。
レッサーパンダが初めて展示されたのは、しばらく経った1973年(昭和48年)のことです。当時は、現在のフサオマキザル舎付近にあった小獣舎の一角で展示されていました。
1977年小獣舎.jpg

1977年小獣舎のレッサーパンダ舎.jpg 歴史を感じますね。
ここで一番初めに暮らしたレッサーパンダは、上海動物園からやってきたノンノン(メス・奥)とライライ(オス・手前)です。
ライライとノンノン.jpgしかし、当時、日本では他の園にもレッサーパンダがいたかいなかったかという時代。決して施設面も技術面も整っているとは言えなかったでしょう。残念ながら2頭とも短命だったようです。
 
その後、1976年(昭和51年)にコロ(オス)とミミ(メス)がやってきます。
歩くコロ.jpgコロはチャーミングな顔立ちをしていて、可愛らしい表情の写真がたくさんありました。
こちらもコロ↓
木に登るコロ.jpg
 
一方ミミは精悍な顔つきに見える写真が多く、常にキリッとしていました。
ミミ.jpg
 

そして、1978年(昭和53年)に現在のレッサーパンダ舎が完成!
1979年に完成した現在のレッサーパンダ舎.jpg今年で築44年目を迎えます。

 

さらになんと!同年に"レッサーパンダの赤ちゃん誕生"というビッグニュースもありました!!野毛山での赤ちゃん誕生はこの1回限りで、コロとミミは野毛山で唯一繁殖に成功したペアだったのです。
ミミと子どものアツコ.jpgお母さんのミミと子ども。 この時代は白黒とカラーが入り混じります。(撮影日不明のものが多いため、順番は古い順というわけではありません。)
飼育員にだっこされるアツコ.jpg
名前はアツコ。
展示場にいるまだ小さいアツコ.jpg
展示場で座るアツコ.jpg
展示場に出るミミとアツコ.jpg
木の下にいるミミとアツコ.jpg
アツコをくわえて歩くミミ.jpgアツコは1歳を前に多摩動物公園に移動したと記録に残っています。アツコが野毛山で暮らしたのは1年弱ということになりますが、覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんね。

 

1986年ごろレッサーパンダがいなくなり、一時的にカニクイアライグマを展示していた時期がありました。
1986年レッサーパンダ舎で暮らすカニクイアライグマ.jpg数にびっくりですね!
 

そして、1987年(昭和62年)に、ケイ(オス・左)とミヤ(メス・右)がやってきます。
ケイとミヤ.jpg
当時の友の会会報誌ZOOよこはまには"ポーカーフェイスの「ケイ」、怒り顔の「ミヤ」"という紹介がありました。
手前ケイ、奥ミヤ.jpg
ミヤ.jpg

同じくZOOよこはまに"ミヤは平気で水モートに入り関係者をおどろかせています。"とありました。そこで、脱走防止のため展示場には一時的にこんな柵が設置されました。
展示場内に脱走防止のための柵が立つ.jpgこの写真を見るに、モートは確かに浅そうです。水が怖くない個体であれば出られそうですね。島も現在よりも随分と小さかったようです。
その後モートは深く掘り下げられ、柵はお役御免となりました。

 

以上、長くなりましたが、昭和時代に野毛山動物園で活躍してくれたレッサーパンダたちを紹介しました。
次回は平成編です。皆さんの知っている個体も出てくるかもしれませんね。お楽しみに!

 

 

飼育展示係 永井