更新日:2022.07.14星に願いを☆
星に願いを☆
みなさんこんにちは。
7月に入り、暑さが苦手なレッサーパンダのお食事タイムは夏休みを頂いておりましたが、
7月7日は七夕だったということで、特別ガイドを行いました。
なぜ七夕でレッサーパンダ?なのかといいますと、レッサーパンダの主食が「竹」であるということから、
竹≒笹→七夕という着想です。
6月末の連日の猛暑を思うと天気が心配でしたが、七夕当日は横浜地方、絶好の曇り空!
そして、やや涼しい!最近は冷房の効いた室内で過ごす時間が多くなっていたイチゴも、
この日は朝から外に出て活動し休息していました。
ガイドでは星形にくりぬいたリンゴを与えました。
レッサーパンダは前肢を使えるということはいつものガイドでもお話していましたが、
この日は竹にちなんだ豆知識も紹介しました。
野毛山動物園で普段から与えているのは「孟宗竹(モウソウチク)」という種類のタケです。
日本の多くの動物園はこの孟宗竹でレッサーパンダを飼育しています。
ちなみに、一般的に私たちが食べるたけのこも孟宗竹のたけのこなのだそうです。
さて、では、「タケ」と「ササ」の違いはご存知ですか?
ここで書くとその話だけで長くなるので、詳細はぜひご自身でも調べてみて頂ければと思うのですが、
一つ問題です。
みなさんは、パンダといえば「タケ」でしょうか?「ササ」でしょうか?
この質問をガイドを聞いてくださっていたみなさんにしてみると、答えは半々に分かれました。
実は、タケとササは分布にも違いがあり、ササは日本と朝鮮半島・樺太にしか自生しないのだそうです。
つまり、野生のレッサーパンダやジャイアントパンダの生息地にはササは存在しないので、
パンダが食べているのはササではなくタケなんです!
というわけで、パンダといえば「タケ」が正解でした。
(ただし、動物園などでササを与えると食べるそうなので、ササは絶対食べないということではありません。
私自身はレッサーパンダにササを与えたことはないのでわかりません。)
ただ、「タケ」と「ササ」の生物学的な視点ではなく、
言葉として考えた場合は「竹」も「笹」もあまり区別なく使われるようです。
きっと七夕行事でみなさんが短冊を飾るあの植物はササではなく、
タケであることも割とあるのではないかと思いますが(大きいものはタケであることが多いため)、
言葉では特に区別せず、「笹」って言いますよね。
また、英語圏にはササがないので、「笹」の英語はなくbamboo grass(bamboo=竹)といい、
またそのままsasaと書いたりするそうです。
※市電での七夕展示の様子
ガイドの終わりに、短冊に見立てたリンゴを飾った竹をイチゴにプレゼント。
しかし、なんだか反応が鈍い...
今までお食事タイムは午後でしたし、朝ごはんからあまり時間も立たず、
始めの手渡しリンゴでだいぶおなかが膨れていたのかもしれません。
(準備したのは大きめリンゴ1個分で、昔のイチゴならペロっと食べていた量です。)
あと、「ぶら下がってて食べにくいのはイヤ...」という感じも、
過去2回行ったリハーサルでも見て取れなくはないようにも感じました。
まだ残っているのに放置される短冊リンゴ...このあともう一度食べに来ましたが、
最後まで2個残っていました。
さて、結局この日の横浜は午後の一時晴れたものの夜はまた曇り。
タイミングと場所によっては天の川は見られたのでしょうか?
私のお願い事は、「みんなの力でレッサーパンダを絶滅から守れますように」でした。
いつかきっと危機から救えるよう、そんな未来が来ることを願っています。
9月の第3土曜日には国際レッサーパンダデーがあります。
野毛山動物園でもイベントを計画中です。
その時にはぜひ、みなさんと一緒にレッサーパンダの今と未来を考えていけたらと思っています。
飼育展示係 永井