更新日:2017.03.01ヨウスコウワニに春が来ます
ヨウスコウワニに春が来ます
先日から爬虫類館管理室でインドセタカガメ、ホウシャガメ、ヘサキリクガメの子ガメ孵化シーンを編集した動画を放映しております。すぐ下に子ガメがいるのでよけい目立つのでしょう、結構人気のあるスペースになっております。皆様いかがおすごしでしょうか。
2月いっぱいまで爬虫類館のヨウスコウワニたちに行っていた疑似冬眠刺激を3月から解除しましたので、ちょっとご紹介します。
ヨウスコウワニはワニの中で唯一冬眠をするワニです。冬眠する爬虫類は、年間を通してフラットな飼育環境で飼育すると、中々繁殖のスイッチが入りません。そこで爬虫類館ではペアが揃った2014年冬から様々な疑似冬眠刺激ともいうべき環境変化を与えています。まずは天窓。寒冷紗で覆って暗くします。
更にプールの水位を通常の1/3以下まで下げ、水底の床面ヒーターをオフにします。また壁面の爬虫類専用紫外線ライトは、ワニが光と認識しづらい通常の人間用蛍光灯に換えました。
プールと陸地を照らす白熱球ライトも消します。ちなみに餌も週に1回、ザリガニを1匹与えるだけです。
3月からは飼育環境を一気に春にしていきます。プールの水位を上げ、床面ヒータもオンにします。寒冷紗を外し、白熱球のライトはワニが光として認識するはずなので、3月からタイマー設定を行って徐々に長日条件を作り出していきます。餌も週に2回に増やし、1回に与える量や餌に内容も高カロリーなものに変えていきます。このように一気に飼育環境を変えてやることで発情を促していくわけです。昨年は交尾まで行ったものの、産卵は見られませんでした。今年こそはと期待しています。
追伸です。もう間もなくですが、3月5日(日) 13:30から、よこはま動物園 ころこロッジにて3園合同飼育研究会が開催されます。そこで私は「ヘサキリクガメの繁殖」について発表する予定です。どなたも参加自由(要入園料)ですので是非興味のある方ふるってご参加ください。詳しくは3園のHPをご覧ください。