更新日:2023.06.22【あみあみ便り】世界キリンの日を迎えて
【あみあみ便り】世界キリンの日を迎えて
今年も6月21日「世界キリンの日」を迎えました。
1年で最も昼が長い日(夏至)に最も首が長い動物「キリン」に注目してほしいと
「キリン保全財団」によって2014年に制定されました。
この日が制定され9年が経ちましたが、今もキリンたちの現状は大きく変わっていません。
この写真はアフリカへ行ったときに撮影したものです。
キリン担当になる前の私は、アフリカに行けば、すぐに見られると思っていました。
動物園ではおなじみの動物ですが、野生では約11万7千頭まで減少しています。
生息地の損失や分断、劣化、人間の人口増加や密猟、病気、戦争や内乱などが、キリンたちを脅かしています。
そんなキリンたちの現状を知ってもらうきっかけにと、
多くの動物園で「世界キリンの日」への取り組みが行われています。
野毛山動物園でも6月6日~30日までパネル展や動画配信、SNSなどを実施しています。
当園のキリンの日の主役たちはこちらです。パネルやSNSなどで大活躍してくれました。
キリンの「そら(オス・11歳)」野毛山生まれのはまっ子です。
性格はマイペースでいたずら好き、気になることはトコトン調査します。
こちらは「モミジ(メス・8歳)」 埼玉県こども動物自然公園生まれで、
2016年に野毛山にやってきました。とっても食いしん坊な美キリンです。
今年の「世界キリンの日」の看板には、ほぼ実寸大の「そら」の前肢が採用されました!
世界〇〇の日には、実寸大の動物たちのパネルが準備されるのですが、
キリンは看板に入りきらないので、体の一部になっています(昨年は実寸大のモミジの顔でした)
そんな「そら」は角までの高さは約460㎝ですが、前肢は約230㎝なります。
(SNSでクイズとして出題しましたが、予想はあたりましたか??)
また、しっぽも長く、「そら」のしっぽは約210㎝あります。
しっぽは体にとまる虫を追い払うために使うため、しっぽを振ると、肩くらいまで届くのですが、
黒い毛は固いので当たると痛いです(涙)。
しっぽが届かないところは、皮膚をプルプル震わせて虫を払います。
また、キリンは、片側の前肢と後肢を同時に進める「側対歩」という歩き方をします。
その一歩はモミジで約90~100㎝です。
一歩が大きいので、前を歩いていてもすぐに追いつかれてしまいます。
走るときは前肢と後肢を交互に出し、最大速度はなんと50㎞近くにもなるそうです。
キリンはおなじみの動物ですがまだ知らないこともたくさんあります。
たくさんの不思議や魅力を持ったキリンたちをもっと知ってもらえるように、
私たちはまだまだ努力をしなければいけないということを「世界キリンの日」を迎えるたびに思います。
そして、動物園や研究者だけではなく、キリンの未来を描く仲間がもっともっと必要だとも思っています。
ぜひ、世界キリンの日に触れた皆さまには、ぜひその仲間になっていただきたいです。
アフリカの地で背を向けて歩いていく3頭のキリン。
近い将来、キリンたちが私たち人間の前から去って地球上から消えてしまわないように、
今できることを一緒に始めましょう。
キリンの生態や魅力、絶滅の危機にある現状、そして、大好きな推しキリンのことを誰かに伝えてください。
それを聞いた人がキリンの魅力に気づき、大きな力になるかもしれません。
世界キリンの日のSNSをリツイートするだけでも、誰かの目に留まるかもしれません。
寄付という形でキリンの保全に取り組む団体を支援することもできます。
その輪を少しずつ広げて、大きな輪にしていきましょう。
明日も明後日も...これから先もずっとキリンたちに朝がやってくるように。
いつか6月21日「世界キリンの日」が、
キリンを絶滅から遠ざけることができたお祝いの日となるようにしたいですね。
いや、いつかお祝いの日にしましょう!!
(寄付につながるキリングッズを購入しました 落合)