更新日:2017.03.24まもなく獣舎工事終了!
まもなく獣舎工事終了!
チンパンジーたちが暮らす類人猿舎は1月から展示場工事を行ってきました。
動物園で大きな工事を行う場合、動物を一時的に別の場所に移動させることも多いのですが、今回は獣舎内にチンパンジーたちがいる中での工事。しかも高齢のピーコさんと生まれたばかりのコウタロウがいます。飼育担当者としては心配しかありません。
そうは言っていられないので、工事に向けて様々なことに慣れてもらうため、獣舎内でわざと作業音を出したり、これまで基本的に担当者1名しか入ることなかった類人猿舎に他の職員や獣医に頻繁に入ってもらうようにしたり
少し複雑な工事とコウタロウの誕生に備え、それまではピーコさん1頭とその他のチンパンジーに分けていた群れ構成のパターンを変え、いくつもの組み合わせを試してみたり
(ピーコさんとミラクル)
屋内にいる時間が長くなり、工事に合わせて部屋を移動しなければならないため、それぞれのチンパンジーが満足することや行動パターンをもう一度見直したり・・等々準備をしてきました。(ちなみにコブヘイは職員と追いかけっこが一番好きです。)
そして工事開始。
コブヘイは昨日は何の工事をしたのかな~と開園前に毎日覗きにはいくものの
チェックが終わると寒い季節だった事もあり、工事が始まる前には室内に戻ってきてくれます。
かなり大きな工事音が出ているときも
意外とみんな普段と変わらず。
担当者の予想を良い意味で裏切り、チンパンジーたちははるかに落ち着いて暖かい室内でいつも通りに過ごし
更に慣れてくると大きな音が出ていても作業をしていても、工事が見える安全な場所でゴロリ。
それでもいくつか苦手な音やこの位置に作業員がいるとダメだということがあったので、動物の健康と安全に工事を進めるため、毎日業者の方と工事の進め方について相談していきました。
その間に暖かい室内では、ルイお姉ちゃんはミラクルお母さんの子育てを間近で見て勉強したり
コウタロウは1人でよく動くようになり、元気にすくすくと成長
そろそろルイお姉ちゃんと一緒に遊ぶ姿も見られそうです
一番変化が見られたのはお父さんのコブヘイ。
以前は担当以外の男性職員や作業員が通ると自分が強いことを示すディスプレイ(誇示行動)をし続けましたが、どうやら「動物園職員」=「全員遊び相手」と認識が変わってくれたようで大騒ぎを続けることも少なくなり、今では一番嫌い?だった園長とも追いかけっこをして遊ぶようになりました。オトナで同士で遊ぶことも多くなり、笑顔も増えました。
そんな順応性の高いチンパンジーや様々な方の協力おかげで工事は終了。ひとまず一安心です。そして季節はいよいよ春本番!桜の名所としても知られている野毛山動物園。お花見と共に少し成長したチンパンジーたちにも是非会いに来てください。(ちなみに寒くなると室内に入ってしまいます)