更新日:2023.10.28チンパンジーのより豊かな暮らしを目指して ~放飼場に乾草を敷きました~
更新日:2023.10.28
チンパンジーのより豊かな暮らしを目指して ~放飼場に乾草を敷きました~
野毛山動物園の類人猿舎は昭和56年に建てられた古い獣舎で、床は一面コンクリートです。
コンクリートの床は殺風景の上に、冬はチンパンジー達もさぞ冷たいだろうなぁと、チンパンジー担当になってからずっと気になっていました。
また最近は、もうすぐ1歳を迎えるコハルがさらに活発に行動するようになったため、
冬の寒さ対策としての役割だけでなく、万一コハルが高所から落下した場合のクッションとして、
また食事を隠して与えたり遊具として使用するエンリッチメントの効果も期待して、
これまでは夜間寝室のみに入れていた乾草を、日中一番使用頻度の高い、市電側の放飼場に導入しました。
(乾草もタダではないので、まずは一か所の放飼場から・・・。)
さて、効果はまずまずのようで、コウタロウやコハルは乾草の上を転げまわって遊んだり、
オトナ達も日中乾草で作ったベッドで休息したりといった姿が見られるようになりました。
またミラクル母さんにおいては、乾草をクチャクチャ口の中で噛んで、野生のチンパンジーに見られるワッジのような物を作る行動も観察されています。
※ワッジ→野生チンパンジーが口の中で果実や枝葉をクチャクチャ噛んで水分を吸い取った後の搾りかす
旧式で決して広くない、野毛山動物園の類人猿舎ではありますが、ソフト面で出来る事はまだまだあると考えています。
チンパンジー達が少しでも豊かな生活を送ることが出来るように、これからも様々な取り組みを行っていきたいと思います。
(チンパンジー係4年生 伊原)