更新日:2023.12.16【あみあみ便り】「そら」の血圧測定トレーニング
【あみあみ便り】「そら」の血圧測定トレーニング
あっという間に師走になってしまいました!
展示場のケヤキも色づいて、展示場掃除では落ち葉との闘いが始まっています(汗)
12月ともなると...寒さが苦手なキリンたちには、いつも以上に心配りが大切になります。
冬の朝は、展示場も日陰となる場所が多いので、日なたに餌をつけるようにしています。
そうすることで、朝の気温が低くても、太陽の日差しで体を温めながらゆっくりと食べてもらえます
(※真冬の日差しの無い寒い日は展示する時間を短くする可能性があります)。
さて、キリンと言えば...
背が高くて、首が長い動物ですよね。キリンは角までの高さが約5m、首の長さが約2mもあります。
高い位置にある頭に血液を送るため、キリンは高い血圧が必要になるので......
上が約250~300mmHgにも達するという報告があるそうです。
今年の新規トレーニングでは、キリンたちの血圧測定を目指してコツコツと実施してきました。
まず...トレーニング下でどのように血圧を測定するかというと、
キリン用の血圧計はないので、人用の血圧計を使います。
測定部位に巻き付ける腕帯部分(カフ)ですが、そこに紐や輪ゴムが付いています。
この紐の先に付いた輪ゴムは獣医の手首に通します。
なぜならば...測定中にキリンが動いてしまった時に、紐を引くと外れる仕組みにしたかったからです。
では、どこで測定するかというと...尻尾を使います。
さっそく!と言いたいところですが、...
まずは、血圧測定時には尻尾がギューッと圧迫されるという普段は感じない刺激になるので、
それに驚いたりせず静かに待っていられるように、手でぎゅ~っと握って圧迫してみたり、
血圧計や音に驚かないように、音を聞かせたり尻尾にカフを巻き付けてみたりと段階を踏んでいきました。
そして、試しに測定してみると...こんな値でした!!
今後は、カフを巻きつける場所や締め付け具合などを調整しつつ、
人用の血圧計を使って尻尾で測定した「そら」の血圧データを蓄積していきたいと思います。
季節や時間帯によっても変わるのでしょうか??
これからも「いざという時」のため、コツコツトレーニングは続いていきます。
しかしながら、毎日、どんなに細心を払っていても、「いざという時」は突然やってくるものです。
その時に何ができているか、どんなデータがあるかで、
私たちが動物たちのためにできることの選択肢も変わってきます。
今日も「いざという時、最善が尽くせるように」と強い想いを胸にキリンたちとともに
トレーニングに励んでいます!
(飼育展示係 落合)