更新日:2023.12.30フラミンゴ舎のどこでもドア
フラミンゴ舎のどこでもドア
野毛山動物園の工務店店主。
別名爬虫類担当者がフラミンゴ舎に新しい扉を作ってくださいました。
その名もどこでもドア!とても魅力的な名前です。
(どこでもドア設置前)
(設置後)
この扉、元々は使わなくなった木製ロッカーの扉部分です。
工務店店主のすごいところは、買わずにどこからか見つけてくるところです。
昨年度鳥インフルエンザ対策で防鳥ネットを張ると、これまで使用してきた旧扉は下の写真のように、
目の前にすだれが来てしまいました。出られなくはないのですが、フラミンゴが渋々通る状態でした。
(旧扉前の空間)
旧扉の目の前にすだれが来てしまったのは、、、
キリンの「そら」が触ってしまう可能性があったためです。
キリンの舌は50cmくらいあります。
首+舌の50cm+念のための1メートル少々を除いた結果このようになりました。
展示場が隣接する場合は、そちらの動物も危険に晒さないように調整が必要です。
(キリンが届かないか「そら」本人と確認もしました)
このどこでもドア増設工事は、フラミンゴたちが他の獣舎に引っ越している間に行われました。
(その時のブログはこちら)
さて、ドアを設置したら次にやることは「慣らすこと」です。
と言っても、突然現れたドア自体にはすぐに慣れ、
フラミンゴ舎に帰ってきたその晩にもドアの前に糞があり、
そこで過ごしていた様子が確認できています。
(どこでもドアとフラミンゴ)
次は
- 日中にドアを開けておいて、ドアが開閉し、寝室に繋がっていることを認識してもらう
- ドアから外に出られるようになる
③ドアから入室できるようになる
の順番に慣らしていきます。
①は1、2週間続けました。特に抵抗なく、日中ドアが開いている状態に慣れてくれました。
問題は②③です。
そもそもこのどこでもドア、獣舎の壁をくり抜いていますので既存の扉よりも段差があります。
フラミンゴは意外にも高いところに登れます。
(石の上のフラミンゴ)
暖かい頃にはこの石の上が定位置だった子もいました。
(足環赤は石の上がお好き?)
なのでこの程度の段差が行き来できないわけではありません。
でも、段差がない方がスムーズに入室してくれるはず...!ということでスロープを設置しました。
屋内用は、夜間スロープと床の隙間に足を取られたら危ないので取り外しタイプです。
用意ができたところで退室入室の練習です。
そのお話は次回に。フラミンゴみたいに姿勢よく首を伸ばしてお待ちくださいね。
(野毛山動物園 最年長フラミンゴ)
今年1年ありがとうございました。 ダチョウ•フラミンゴ担当者