更新日:2017.12.18冬のキリン
冬のキリン
今年の冬は、訪れが早い気がするキリン担当です。
冬は個人的には好きですが、キリン担当としては嫌いです。なぜならば...キリンは寒さが苦手だからです。
アツアツの2頭に見えますが、「そら」の猛アタックよりも食欲な「モミジ」です。
さて、今回は寒さが苦手なキリンのために、どんな対策をとっているかを紹介します。夜間は室温が15度以上になるように暖房を調整しています。
この日の収容時の室温は...14度。翌朝はもっと冷える予報でした。（天気予報の確認も欠かせません）
天井付近にある大きな機械が赤外線ヒーターです。
このスイッチをONにします。（最大2台まで運転できます）
この遠赤外線ヒーターのほかに、200Vの温風機を運転し、扇風機を回して空気を循環させます。なんせ、キリン舎は大きいし、天井が吹き抜けでとても高いので、全体を暖めるのは大変です。
小さな工夫も。温かい空気が通路に逃げないように、カーテンで遮断します。
そして...おやすみなさいZZZ
キリン舎に朝一で向かいます。
さて、夜間の室温は...19度になっていたようですね。（赤外線ヒーターを消した後なので、少し室温が下がっています）
温度を確認したら、次は窓を開けて外気を入れてゆっくりと室温を下げていきます。せっかく暖かいのに？？と思いますが、ここがとても大切です。
キリンは寒さが苦手ですが、血圧がとても高い動物でもあります。そのため、暖かい室内から急に寒い外に出してしまうと、血圧が急激に上がってしまいます。それを防ぐため、徐々に外の温度に慣らしていくのです。（部屋に戻る時も暖房を入れて暖めておくのではなく、収容後に暖房をつけて部屋を暖めます。）
1時間ほどで14度まで下がりました。本日の外気は10度ほどです。まだ4度の差がありますね。
この後は、展示場への大きな扉を開放し30分程度慣らしていきます。そんなわけで...冬期は展示場に出る時間が少し遅くなる場合があります（汗）
苦手な冬を健康に乗り越えるため、キリンの健康第一で行きたいと思います。また、天候不順や寒さによる震えなどが見られる場合は、早めに部屋に戻ることもありますので、ご理解とご協力をお願いします！！
（飼育展示係 落合）