更新日:2018.06.02ビフォー・アフター ~インドクジャク編~
ビフォー・アフター ~インドクジャク編~
昨年10月にもこの動物トピックスで、インドクジャクの上尾筒について「すべて抜け落ちてしまいました・・・」とお伝えしましたが、今回は「生えそろいました!」のご報告です。
その際にも触れたと思いますが、インドクジャクの雄の上尾筒は繁殖期にだけ生えている羽です。
こちらは、キジ舎で飼育されている雄のヨウスケ。
その・・・
ビフォー(抜け落ちた後のヨウスケ)
アフター(生えそろった後のヨウスケ)
心なしか、アフターのヨウスケの方が自信に満ちているようにも見えます。
インドクジャクの繁殖期は3月から7月くらい。そうです!今が見ごろというわけです!!
これは『一見の価値あり』なので、是非、この機会に野毛山動物園にお越しください。
とお勧めしておいて、言い訳のように聞こえてしまいますが、ずっと上尾筒を広げているわけではありません。
雄が羽を広げるのは、雌への求愛や誇示行動などと思われるので、どのタイミングで羽を広げるか?は雄次第です。その点はご了承ください。
また、キジの仲間であるインドクジャクは繁殖期、かなり気が荒くなっています。全く悪気はなくても嘴で突いてきたり、足で飛び蹴りしたりしてきます。
来園者のみなさまは、くれぐれも獣舎の柵への近づきすぎや柵内に指などを入れないようにご注意ください。
さて、インドクジャクご自慢の上尾筒ですが、雄でも生えていない時期があります。それは性成熟する前の雄です。
インドクジャクの性成熟は3~4歳といわれており、それまでは未完成の上尾筒は生えていますが、お馴染みの模様の羽はまだ生えていません。
野毛山動物園には今年2歳になるインドクジャクの雄のジャックがいます。
実はジャック。ヨウスケの息子です。
この写真は、ジャックが生後1ヶ月半の時です。
頭の上の飾り羽は生えてきていますが、上尾筒はまだです。
そして、これが最近のジャック。顔などはおとなの雄と同じ色になってきていますが、上尾筒は未完成です。
それでも飼育係が獣舎に入ると、カサカサカサっと羽を広げてくれます。
本人(インドクジャクのジャック)は至って真剣ですが、この、こじんまりした放射状の羽がとても微笑ましく、毎日癒されています。
おそらく、まだ求愛や誇示行動ではなく、将来立派な雄になるための練習をしているものと思われます。
しかも、横向きバージョンだってあります。
普通、繁殖期のおとなの雄では正面きって威嚇してくるので、なかなかこの構図で写真を撮らせてくれません。
でも、ジャックなら撮らせてくれます。
インドクジャクの羽の構造がよくわかります。広げている羽の後側が尾羽、前側が未完成の上尾筒です。
このように尾羽が長い上尾筒を支える役割をしているのがわかります。
あの模様の羽が生えそろうにはもう少し時間がかかりそうですが、近い将来、ヨウスケのような立派な雄クジャクになるその日まで。
がんばれ、ジャック!
※インドクジャクのジャック(雄)は、現在、非公開の施設で飼育しておりますので、ご覧いただくことはできません。
予め、ご了承ください。
飼育展示係 大谷