更新日:2018.07.29巣立ちの季節です。
巣立ちの季節です。
皆様「巣立ち雛」ってご存知ですか?
何度かこのブログでも出てきているので知ってるよ!しつこいよ!!...と思う方もいらっしゃるかもですが...いかがでしょうか??
鳥の「雛」というと、巣の中にいて、親鳥が餌を見つけて帰ってくると我先にと口をあけながらピーピーと鳴いている姿を思い浮かべる人が多いかと思います。
こういう雛は「巣内雛」と呼ばれています。
それでは「巣立ち雛」とは?
その名の通り巣立ちを迎えた雛のことです。
巣立ちを迎えたのに雛??と思われる方、いらっしゃるのではないでしょうか?
鳥は飛べるのが普通で、巣立ちを迎えたら飛べるのだろうな、なんて思っている方は多いと思います。
私も動物園に勤めるようになるまではそう思っていた人の1人です。
でも、鳥だって最初から飛べるわけではないのです。
私たちがいきなり歩けるようになるわけではないのと同じですね。
最初はジャンプしながら羽根をはばたかせることから始まり、少しずつ飛べるようになっていくのです。
そんな巣からは出て自然の中で飛ぶ練習、そして餌の取り方、外敵から身を守る方法を親鳥から学んでいる時期の雛を「巣立ち雛」と呼ぶのです。
今回はそんな巣立ち雛をご紹介します。
まずはスズメ。体はほとんど大人と同じように見えますが、嘴が黄色く顔が少し幼いです。
こちらはツバメ。上のスズメより大人びているでしょうか?
でもほんのりまだ嘴が黄色く大人になる手前の雛鳥です。
最後はヒヨドリの雛です。この個体はまだ羽根が生えそろってはなく、お腹のあたりの羽根がふわふわしているので上の2羽に比べたら子供な感じですね。
でも、もうジャンプは出来るようになり、止まり木にも止まれるので巣立を迎えるころです。
実はこの巣立ち雛の時期に、怪我はしてないけど飛べないので...と皆様の善意で間違って保護されてしまうことがあります。
一生懸命飛ぶ練習をしているこの時期の巣立ち雛の近くにはちゃんと親鳥がいます。
なので、このくらいのあまり飛べない雛がいてもそっとその場を離れてあげてください。
車やカラス、ネコが心配と思う方もいると思いますが、そういった外敵から身を守るすべも一緒に親から学んでいる時期なので、ここで人が保護してしまうと親から教えてもらうことが出来なくなってしまいます。
春から夏にかけて巣立ちの季節。
道を歩いていたら巣立ち雛に出会うこともあるかと思います。
一人前になろうとしている巣立ち雛を是非温かく見守ってください。
(飼育展示係 百武)