更新日:2018.10.04メダカの孵化には、屋外環境のほうが適しているようです
更新日:2018.10.04
メダカの孵化には、屋外環境のほうが適しているようです
前回のブログにも少し書いたのですが、これまで当園のメダカ繁殖の大きな課題として、採卵した卵に水カビが発生することが多く、孵化率がなかなか向上しないことが挙げられてきました。
これまで当園では、メダカの繁殖は完全屋内のタナゴ舎で行ってきました。
タナゴ舎は、ホトケドジョウや特にミヤコタナゴが高水温に弱いので、夏場は冷房で水温を常時21~22℃に保っています。
しかしこの冷房による低水温が、メダカの卵に水カビが発生する一つの原因なのではないかと疑い、今年は途中から採卵した卵を屋外の容器に移し、孵化を試みてみました。
その結果・・・
卵に水カビが発生することが明らかに少なくなり、たくさんの稚魚が孵化し始めました!
この場所は直射日光が当たる時間帯もあり、水温が高い時で30℃以上になります。
水温が高いため、卵の発育も早く、タナゴ舎より一週間ほど早く稚魚が孵化します。
やはり低水温では卵の発育が遅れ、発育が遅れている卵は抵抗力も低く、結果水カビが発生してしまう原因になっていたのかもしれません。
また先日、横浜メダカの会の会員の方々とお話する機会があったのですが、太陽による天然の紫外線も、屋内水槽で使用している観賞魚用ライトに比べ殺菌力が強く、水カビの発生を防ぐ一因になっているのではないかという事でした。
湧水や小川など冷水に生息するミヤコタナゴ・ホトケドジョウの孵化は、冷房が効いた完全屋内のタナゴ舎でも問題なかったですが、池や沼・水田の水路など温かい水温に生息するメダカの孵化に関しては、どうやら屋外の環境の方が適しているようです。
今年の経験を来年の繁殖期に生かし、希少な横浜メダカの繁殖を軌道に乗せていけたらと思っています。
(飼育展示係 伊原)